柴咲コウ、志尊淳らが監督デビュー!山田孝之&阿部進之介発起人の「MIRRORLIAR FILMS」プロジェクト始動
メジャーとインディーズが融合した映画を作り上げる「MIRRORLIAR FILMS」のプロジェクト発表記者会見が、16日に東京国際フォーラムで行われ、発起人である俳優の山田孝之と阿部進之介が登壇。
著名俳優や監督と一般から公募するクリエイター、計36人の映画監督による「短編オムニバス映画」を製作し公開するという一大プロジェクトとなる本企画。会見では、山田と阿部が監督を手掛けるほか、監督初挑戦となる俳優の柴咲コウ、志尊淳、水川あさみ、安藤政信など豪華12名の監督参加が発表された。
年齢や職業を問わず、多くの人たちに映画製作のきっかけや魅力を届けるべく発足したこのプロジェクト。会見では、著名俳優や映画監督の24名と一般クリエイターの12作品による「短編オムニバス映画」を4シーズンに分けて製作し、第1シーズンを2021年の夏に公開、その後3か月ごとに各シーズンを公開し、第4シーズン公開後には映画祭が開催されることが発表された。会見には、運営メンバーの伊藤主税(and pictures)、関根佑介(Fogg)、松田一輝(KOUEN)、小金澤剛康(イオンエンターテイメント)も登壇した。
さらに24名のうち、12名の監督参加者を発表。俳優では山田と阿部、柴咲、志尊、水川、安藤が参加し、監督では井樫彩、紀里谷和明、野崎浩貴、福永壮志、藤井道人、山下敦弘が作品を手掛けることがわかった。本プロジェクトのプロデューサーを務める山田は、参加者の選抜について「すでに一般の応募がスタートしていますが、それを知って作りたいという想いがある方は声をかけてくださったり、ちょっと不安そうな方には『大丈夫!やってみよう!』と。いまSNSで日常的に撮影して表に出すことが根づいているので、映像作りをもっと身近に感じてほしい」と想いを吐露。
またグランプリ作品には500万円の賞金が授与されることが発表されると、山田は「僕らは委員会なので賞金はもらえないのですが」と笑いながらも、「この企画で良い作品を作って、さらに良い作品を作る制作資金にしてくれたら」と、若い世代のクリエイターの発掘やメジャーやインディーズの垣根を超えたチャンスの提供への想いものぞかせた。
山田と一緒に本プロジェクトのプロデューサーを務め、自身も初めて監督に挑戦する阿部は「この世にまだなにも存在しない映画を、自分の手で作るってワクワクします」と語り、作品の内容については「秘密です」としつつ、「映画の撮り方が分からないと思うかもしれませんが、僕も一緒。映画の製作現場にはいましたけど、監督と違う視点で立っていたりするので、僕としては表現するという意味では同じ位置に立っている。新しい才能が楽しみですし、出てくる方たちは僕たちの仲間だと思っています」と目を輝かせた。
一方一人で長編作品を監督するのは初となる山田は、手掛ける作品について「賞金はもらえないので、なんでもやってやろうという気持ち」と心意気を語り、「内容はまだなにも決めていないですけど、アイデアで刺激的な作品を作れたら」と意欲をみせる。また作品のキャスティングについて、阿部は「必要とあらば、自分が出演することもあるでしょうし、なにが必要かを考えてキャスティングしようと思います」と言及。山田は「ほかの参加監督から『孝之出てよ』って言われてるんですけど、全部出てたら山田だらけの映画になってしまうので…」と会場を笑わせた。
また改めてこのプロジェクトを始めた背景について、山田は「劇作品のすばらしさを知ってもらいたい想いはあります。いまの人たちは長い映像を見ることに慣れていないので、そこは短編にするのは合っていると思いますし、映画っていいじゃん、だからどんどん作っていこうよと伝えたい」と胸の内を語り、さらに「僕は劇場で観てもらうことが好き。それはお客さんの集中力がすごいから。集中力が圧倒的に違って、俳優としてもその集中力で観てもらえるのはすごくうれしい。なので今回劇場で上映するのは、とても大事なことだと思っています」と劇場上映への想いも明かした。
本作を上映するイオンエンターテイメントの小金沢は、今回の参画の理由について「単純にできあがった映画をイメージした時に、非常に面白そうだなと思ったのが一つ。また観にくるお客さんが自分もできるんじゃないか、やってみたいなと思ってくれる可能性が高いというのが強かった。これは映画業界にいる我々の希望であり一種の責任だと思いますが、こういうプロジェクトは一過性で終わっではいけない。今回の座組みや、我々が語り合う今後の夢など、長い期間でやれるだろうなと思った」とその決め手を語った。
最後には、本プロジェクトのプロデューサーを務める伊藤が「映画って敷居が高いように思われがちですけど、自分がこいうことを表現したいとか衝動が生まれた時点で映画は撮れると思っています。その衝動が一番大事。なので何も気にすることなく、自分なりにその衝動を大切に応募していただければ」とメッセージ。阿部も「僕も初めて映画を撮ります。映画を撮ってみようかなと思った瞬間から、あなたも映画監督です。そういう仲間が増えることをとても楽しみにしていますし、若い世代の人たちにも負けられない。刺激し合えたら」と希望を語り、山田も「今後みなさんが生きていくうえで、人に話したいというものを書き起こして短編にしたら、意外とおもしろいショートフィルムになったりするかもしれない。ポジティブでもネガティブでも、それをだす場としてショートフィルムが確立されたらおもしろくなっていくのでは思う。日頃からいろんなことに目を向けて、ネタを探してぜひ短編を撮ってみてください!」と強く呼びかけた。
取材・文/富塚沙羅