『ふりふら』咲坂伊緒との対談で新人声優・鈴木毬花が感激!「小学生のころから大ファン」
人気漫画家、咲坂伊緒の同名コミックが原作のアニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(公開中)で、新人声優の鈴木毬花がダブルヒロインの一人である由奈役に抜てきとなった。オーディションでは満場一致で役を勝ち取った鈴木だが、プレッシャーも大きなものだったという。原作者の咲坂が「まだ形作られていない、ピュアな感じが本当に“由奈”という感じだった」とハマり具合いを絶賛すると、「ものすごく不安だったので、とてもうれしいです!」と胸を撫で下ろした鈴木。実は幼いころから咲坂作品の大ファンだそうで、これには咲坂も「そういう方といまこうして一緒にお仕事ができているなんて。私もとてもうれしい」と大喜び。笑顔いっぱいとなった2人のインタビューをお届け!
咲坂の青春三部作「ストロボ・エッジ」「アオハライド」に続く最終章をアニメ映画化した本作。恋愛に対して現実的な朱里(潘めぐみ)、夢見がちで恋愛に消極的な由奈(鈴木)、朱里の義理の弟であり葛藤を抱える理央(島崎信長)、率直でどこかつかみどころない和臣(斉藤壮馬)。等身大の主人公たちが繰り広げる恋模様と、彼らが自分自身や他者と向き合いながら成長していく姿をみずみずしく描く。
「鈴木さんに由奈を演じていただけて、とてもうれしかった」(咲坂)
ーーオーディションで由奈役に抜てきされました。鈴木さんにとって劇場アニメは初出演となりますが、由奈役に決まった時の感想を教えてください。
鈴木「もちろんすごくうれしかったのですが、正直、不安の方が大きかったです。私は自分に自信がないタイプで、『私で大丈夫かな…』と思ってしまったのですが、自信がないからこそ、より大きなプレッシャーを感じてしまうんだと思いました。だからこそ、たくさん由奈を自分のなかに取り入れられるように、絵コンテや原作を読み込んで、少しでも自信がつけられるようにしたいと思っていました」
咲坂「鈴木さんの由奈、ものすごく素敵でしたよ。『満場一致で決まった』と伺っていたのですが、初めて鈴木さんの声を聞いた時に『そりゃ、そうだよな』と思いました。この方に由奈をやっていただけると思うと、すごくうれしかったです。まだ形づいていないピュアなニュアンスが、ものすごく“由奈”という感じがしました」
鈴木「ものすごく不安だったので、とてもうれしいです!」
ーー由奈に共感できた部分はありますか?
鈴木「原作を読んでいる時から、『由奈の気持ちがわかるな』と思うことが多かったです。実際に演じてみても、同じように思いました。例えば、由奈が『私なんかが告白しても…』と悩む場面があるのですが、自分も『私なんか…』と思ってしまうことがあって(苦笑)。でも由奈役に受かって、こうして演じることができたことで、少し自信になったところがあります。演じる時には、最初は緊張のあまり声が上ずってしまったのですが、だんだんと落ち着いてきて、私も由奈と一緒に成長できたのかなと思っています」
ーーこうしてお話を聞いていても、由奈にぴったりだなと感じます。
咲坂「誰もがきっと、なにかにチャレンジする時には『私なんか…』と思ってしまうことってありますよね。由奈だけではなく、それはいろいろな人に通じるものだと思いますが、その部分が特に鈴木さんの心境にハマっていたんじゃないでしょうか。ますます皆さんに鈴木さんの演じた由奈を見てほしい!と思いました。由奈のモデルは特にいませんが、朱里と由奈の2人を対等にしたいと思って生みだしたキャラクターです。私のなかにも朱里と由奈、両方の価値観が存在しています」
「潘さん、島崎さん、斉藤さんは人としても尊敬できる方」(鈴木)
ーー由奈は、対照的な性格の朱里と出会ったことで刺激を受けていきます。鈴木さんも、朱里役の潘さんから刺激を受けることはありましたか。
鈴木「潘さんは、収録が始まる日や取材がある日などには『今日はよろしくね』とLINEをくださるんです。そのひと言で『頑張ろう』『潘さんがいるから安心できる』と思うこともできて、とても支えていただきました。潘さん、島崎さん、斉藤さんがお芝居をしているのを後ろから見ている時間もあったのですが、あまりのすばらしさに圧倒されました。そういう姿を見ても気合が入りましたし、皆さん本当に優しくて、人間的にも尊敬できる方でした。声優としても『こういう人になりたい』と感じていました」
咲坂「ブースの外で見学をさせていただいたのですが、潘さんが『この場をリラックスした雰囲気にしよう』と空気作りをされているのが、遠目にも伝わってきて。『なんて頼りになる先輩なんだろう!』と思っていました。これは新人の声優さんは惚れるだろうなと(笑)。気遣いもさりげなくて、本当に素敵。場がピリつかないようにされていて、朱里役にもぴったりでしたね。また潘さんだけでなく、島崎さん、斉藤さんも、おそらく自分たちが通ってきた道だからこそ、『鈴木さんを緊張させてはいけない』と思っていたのではないでしょうか。アフレコ現場からは、そういった温かさを感じました」
鈴木「本当に温かな現場でした!ものすごく感謝しています」