元宝塚トップスター・明日海りおが明かす、退団後に挑んだ『ムーラン』への想い。目指す女優像は?
「これまでの概念を捨てて、委ねてみようと思いました」
宝塚時代には、「ロミオとジュリエット」でロミオとティボルトの2役を、「ベルサイユのばら」でオスカルとアンドレの2役を演じたりと凛々しい男役でスポットライトを浴びてきた明日海だけに、「ムーランは、女性でありながらも兵士に扮し、男性に混じって戦場に赴くという設定なので、私がいままでやってきたことが活かせるんじゃないかと思いました」と、気合十分に臨んだ。
ディズニーファンとあって、「これまでの作品で、ディズニーのヒロインたちがどういう声を出していたのかと思い、いろいろな映画を観て参考にしようと思いました」とリサーチをしたそうだが、実際、アフレコ収録の現場へ行くと「すごく緊張してしまいました」と述懐。
「でも、吹替え版の監督やスタッフさんはいつも穏やかで楽しくて、『いいものを作りましょう』という熱い方たちだったので、自分の用意していたものやこれまでの概念を捨てて、委ねてみようと思いました。だから、作品の持つ雰囲気や、聞こえてくる音、相手との芝居のなかで生まれたものを、素直に出していった感じです」。
また、アクションシーンについては、「宝塚の舞台で、10代のころから武器を持って戦う兵士役を多数演じてきたので、そこは今回のアフレコに活かせたなと思いました」と手応えを口にする。「舞台で立ち回りをする時、安全のために相手と息を合わせるんです。例えば、『ハッ!』とか、『フッ!』という掛け声などがそうで、やられる時も実際に傷つけ合うわけではないので、ちゃんと『オオーッ』という声を出すのですが、それが今回、とても役に立ちました」。
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明日海が目指す、憧れの女優とは?
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