ジュード・ロウらが明かす、HBO最新ドラマと、“コロナ禍”の共通点とは?
アカデミー賞作品賞に輝く『ムーンライト』(16)などを手掛けた、ブラッド・ピット率いる制作会社プランBエンターテインメントと、「ゲーム・オブ・スローンズ」などの話題作を送りだすHBOがタッグを組んだ「サード・デイ 〜祝祭の孤島〜」。
「夏」と「冬」の各3話2部構成で展開する本作は、ロンドン郊外で引き潮の時にしか渡ることができない孤島を舞台に、島の伝統と文化を守るためには手段を選ばない謎めいた島民たちを相手に、奇妙で恐ろしい体験を通して精神を追い詰められていく主人公たちの姿が描いたミステリードラマだ。
第1話から第3話の「夏」で主人公のサム役を演じたジュード・ロウは、「“隔離”や“孤立”は悲しみを構成する要素のひとつだと思う」と、本作のテーマが現在のコロナ禍と共通しているのではないかと分析する。「この数ヶ月間、隔離やロックダウンで、いままでは忙しさを理由に考えなかったようなことを深く考えた人は多いと思う。家族や知人の死と向き合うことは、まさに悲しみと直結するものだよ」。
それにはメガホンをとったマーク・ミュンデン監督とジェス役のキャサリン・ウォーターストンも同意。ミュンデン監督は「このドラマは“孤独”の心理を描いている。みんなが数ヶ月間、他人と接することなく過ごしてきたようにサムは自分自身からも距離を置いているところがある。彼は自分自身を理解していないんだ。でもジェスや島民との関わりを通して自分自身を見つけていく。彼の過去や悲しみとどう向き合っているかを見せながら、人には周りの必要だと表現していくのがテーマになっているんだ」と語った。
一方でキャサリンは“孤独”と“悲しみ”という本作のテーマに、“恐怖”を付け加える。「人それぞれ恐怖に対する向き合い方が違う。パンデミックの初期にアメリカの大統領は『これは中国の病気だ』などと言った。なにか問題が起きた時に他人のせいにするのは簡単なこと。それはこのドラマでも言えることで、悲しみや苦しみへの対処の仕方として一番あってはいけないことは他人を責めることだと思う」。
そして「イギリスではパンデミック初期にみんなが助け合ってサポートし合っていて、ここ数年みられなかったような一体感を感じた。このドラマでは島民はよそ者を好まずに自分たちだけのやり方で自分たちのコミュニティを守るとする。それは外界からの脅威に対する恐怖がそうさせている。そういう部分に関しては、現実にならないことを願っています」とつづけた。