のん「女優のお仕事が大好き。ここに一生いたい」観客賞受賞会見で女優業への想い爆発

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のん「女優のお仕事が大好き。ここに一生いたい」観客賞受賞会見で女優業への想い爆発

のん、6年ぶりに長編映画で主役を演じた『私をくいとめて』が観客賞を受賞!
のん、6年ぶりに長編映画で主役を演じた『私をくいとめて』が観客賞を受賞!

11月9日、第33回東京国際映画祭が閉幕。観客の投票で決まる「TOKYOプレミア2020」部門の観客賞は、大九明子監督の『私をくいとめて』(12月18日公開)にもたらされた。クロージングセレモニー後にはTOHOシネマズ六本木ヒルズで受賞者会見が行われ、大九監督と主人公を演じたのんが出席。6年ぶりに長編映画で主役を演じたのんが「大興奮です」と受賞の喜びを語ると共に、「女優のお仕事が大好き。ここに一生いたい。これは自分の生きる術」と女優業へのあふれる想いを告白した。

『勝手にふるえてろ』(17)の原作者、綿矢りさと監督の大九明子が再びタッグを組んだ本作。おひとりさまの生活に慣れきり、脳内に相談役「A」が誕生した31歳のみつ子(のん)が、年下男子に恋をして、そんな自分に戸惑いながらも一歩前に進もうとする姿を描く。『勝手にふるえてろ』は第30回東京国際映画祭で観客賞を受賞。観客賞を二度、受賞した監督は本映画祭では初の快挙となった。

のん抜てきの理由も明かした大九明子監督
のん抜てきの理由も明かした大九明子監督

大九監督は「劇場に足を運んで、投票してくれたお一人お一人のおかげ。かつ、一緒に戦ってくれた全スタッフ、キャストのおかげ。その喜びは3年前と今回もまったく同じ」としみじみ。3年前の受賞と違うこととして「映画館に足を運んで、みんなで同じ時間、空間を共有して映画を観るということが、貴重なことになってしまった。そのなかでちょうだいした賞であるという重さは、まったく違う」とコロナ禍での観客賞受賞への特別な想いを語る。本作の撮影も一時は休止に追い込まれたというが、「映画は不要でも、不急でもないと信じたい」と打ち明けていた。

アラサー女性、みつ子の戸惑いを体現したのんだが、大九監督は抜てきの理由について「(のんには)年齢不詳な感じがある。このように輝かしく、すてきでチャーミングな方でありながら、皆さんの会社のどこかの部署にひっそり働いていそうな魅力がある。また『この世界の片隅に』でのすばらしい表現力を見て、ご一緒したいという欲望がすごく高まりました」と告白。

【写真を見る】手を上げて喜びを表現したのん
【写真を見る】手を上げて喜びを表現したのん

記者から「自分にとって、女優業とは?」と聞かれたのんは、「女優のお仕事が大好きで、ここに一生いたいと思っている」とニッコリ。「10代の時に、女優がなかったら私はなにをやっていたんだろうと考えた時になにも思い浮かばなかった。実家にいる妹に電話して聞いてみた」そうで、「妹から『そのへんでのたれ死んでいると思う』と言われて、腑に落ちてしまった(笑)。これは自分の生きる術で、ここしかなかったんだという気持ちが固まりました」と語る。

さらに「“主演映画”というのは、本当に特別だと思う」というのん。「たくさんシーンがあって、一番セリフがあって、ずーっと演技をしていられる。それは至福」と瞳を輝かせ、「みんなで一つの画面を作り上げる。一点集中で、たくさんの人の思考が同じところに向かっていくという感覚がたまらない」とものづくりの喜びを熱弁。「主演だと、ずっとそのなかにいられる。たまらなく気持ちいいし、くたびれるし、落ち込んだりする時もあるけれど、みんなで『これ、絶対いいシーンになったよね』という手応えがあると、こんなにうれしいことはないというくらい、幸せな気持ちになります」と力強く語っていた。

取材・文/成田おり枝

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