役所広司主演『峠 最後のサムライ』主題歌が石川さゆりの「何処へ」に決定
累計発行部数381万部を超える司馬遼太郎のベストセラー小説を、役所広司主演で映画化する『峠 最後のサムライ』(2021年6月18日公開)。幕末の風雲児と呼ばれた越後長岡藩家老、河井継之助を主人公とした本作の主題歌に、石川さゆりの歌う「何処(いずこ)へ」が決定した。
監督と脚本を務めるのは、黒澤明監督の助監督として数々の名作に携わり、第24回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した『雨あがる』(00)以来、人間の美しい在り方を描いてきた小泉堯史。諸国へ遊学しグローバルな視野を培い、領民のための斬新な藩政改革を次々と実行した継之助を役所が演じるほか、松たか子、香川京子、田中泯、永山絢斗、芳根京子、佐々木蔵之介、吉岡秀隆、仲代達矢らそうそうたる俳優陣が脇を固める。
慶応3(1867)年の大政奉還によって、260年に及んだ徳川幕府は終焉を迎え、諸藩は東軍と西軍に二分していく。慶応4年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発。越後の小藩、長岡藩の家老である河井継之助は、東軍・西軍いずれにも属さない武装中立を目指し、民の暮らしを守るため戦争を避けようとする。しかし、和平を願って臨んだ談判は決裂に終わり、継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下すのだった。
「何処へ」の作詞は、これまでも幾度となく石川とコラボレーションしてきた作詞家の阿木燿子が担当。小泉監督の『阿弥陀堂だより』(02)と『蜩ノ記』(14)の二度にわたって日本アカデミー賞優秀音楽賞に輝くなど、名実ともに日本音楽界のトップランナーの一人である加古隆が作曲を手がけた。石川が情感豊かに歌い上げるのは、松が演じる継之助の妻おすがの目線で見つめた本作の“その後”の世界。幕末という激動の時代を生き抜いた継之助の背中をやさしく、せつなげに見守るさまを力強くも繊細な歌声で表現している。
なお本主題歌は、石川の最新シングルとして21年1月27日(水)にリリースされる予定。映画の公開を楽しみに待ちつつ、まずは「何処へ」で本作の世界観を感じてみてはいかがだろうか。