岩井俊二監督と[Alexandros]が語る、初コラボ『夢で会えても』の舞台裏「映像化することで、人に光を与えられるものになった」
「確かに僕が知るかぎり、メンバーが演技をしたのは今回が初だと思います」(川上)
――庄村さんは「勇退」することを宣言されていますが、最後に記念すべき主演映画ができますね。
庄村「ひょっとしてこれが、最後のレコーディングになったのかなと。我ながら、数奇な人生を歩ませていただいてます(笑)。なかなか映画に出演する機会なんてないと思うので。『Bedroom Joule』の制作には携われてない人間ですが、『rooftop』はメンバー全員がすごくいいと言っていたので、その物語の続きに自分が携われたことがうれしかったです」
川上「そうなんですよ。これが彼にとって最後の仕事になったんです。今年の3月、普通に勇退をしていたらこんなことは起きてなかったし、そもそも『rooftop』という曲も生まれてなかったので」
磯部「僕もいろんなことを思ってワクワクしました。これぞ、エンターテインメントの“昇華”だなと。いままで我々にとっての映像とは、ミュージックビデオや作った曲に対しての企画ものでしたが、今回のプロセスはまた全然違いました。そもそも脚本をいただいたのも生まれて初めてで、自分たちで台詞を言って表現することは恐れ多かったけど、とても楽しみでした」
川上「確かに僕が知るかぎり、メンバーが演技をしたのは今回が初だと思います。演出をされるのがどういうことかも知らないし、監督に質問をしていいのかもわからないし、みんなが岩井組の一員として、流れに身をまかせるというか、岩井さんを信じてやっていった感じです。撮影は、僕の演じるヨウの部屋という設定でしたが、本当に自分の部屋でやっているような感じになっていたので、そこも含めて演出だったのかなと。僕のイメージでは監督からもっとああしてほしい、こうしてほしいというのがあると思っていたのに全然なかったです」
庄村「僕は女性を手にかけてしまうような役まわりでしたが、もともとホラー映画が好きだし、どちらかというとヴィランに憧れるような人間なので、うれしかったというと語弊があるかもしれませんが、自分的には良かったです。撮影時、僕が手探りでやっていくなかで、洋平が少し演出をしてくれた点もすごくうれしかった。唯一、洋平と絡むシーンがあって、そこはバンドのやりとりを思い出しました」
川上「そこは僕も覚えてます。撮影3日目で、一応、僕のなかで、座長感が芽生え始めていた時に彼が参加してくれたんですが、なんとなくこの空気じゃないなと感じたので、そこは責任をもって伝えたんです。自分が間違っていたらどうしようと思いつつも、そこは言えて良かったです」
白井「僕は、最初のシーンが穂志もえかさんとの掛け合いで、けっこうハードルが高くて、手汗が止まらなかったです。すごく緊張しちゃって、どのタイミングで台詞を言えばいいのかもまったくわからないし、NGの重たさもわからないから、めちゃくちゃ怒られたらどうしようとか、変な想像ばっかりしていました(苦笑)。わからないまま手探りでやっていって、ようやく終わりのほうで、演技って楽しいなと少しずつ思えるようになりました」
『夢で会えても』episode1「HOME」
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『夢で会えても』episode2「女」
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