「バイオハザード」プロデューサーが『新感染半島』の魅力を分析!「自分を犠牲にしてでも愛する者を守ろうとする」
「音に反応するゾンビというアイデアは新鮮でした」
――『新感染半島 ファイナル・ステージ』に話を戻しますが、この映画に登場するゾンビと、ゲームの「バイオハザード」シリーズに登場するゾンビに、共通点を感じましたか?
「“ゾンビはどこから来たのか?”という点が説明されていないことですね。やはり恐怖の対象なので、謎の部分がないといけない。『バイオハザード』では、ウイルスの存在は明かしていますが、あえて秘密にしている部分もあるので、その点は共通しています」
――ゲームに活かせるゾンビの設定があるとすれば、どういう点でしょう?
「音に反応するゾンビというアイデアは新鮮でした。それと、夜になると活動しなくなる部分も興味深かったです」
「ゾンビ化された世界で、どういう人間ドラマが描かれるのか?」
――ピーターさんご自身がゾンビワールドに入ってしまったら、どうやって生き延びますか?
「すぐ死にますね(笑)。いや、まずは信頼できる友だちと組んで、武器と食べ物をストックして、高いところに行きます。とはいえ、ゾンビには勝てませんから、少しでも長く生きるための準備をすると思います」
――ゾンビはいまやカルチャー・アイコンと化していますが、ゾンビをエンタメに転化する醍醐味とは、どういう点にあるのでしょう?
「ゾンビがメインではなく、ゾンビ化された世界でどういう人間ドラマが描かれるのか?そこに人々は惹きつけられるのだと思います。希望のない世界で人間はどう動くのか?一方で、ゾンビをどう動かすか?というおもしろさもあります」
――メディアにおけるゾンビの描写は年々進化していますが、今後も進化していくのでしょうか?
「それはもう、『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイしていただくことが答えの1つになると思います(笑)。クリエイターは常に新しいものを追求していますから、楽しみにしていてください!」
意外にもゾンビワールドで最も恐ろしいのは、“人間の悪意”だと説明するピーターさん。本作で繰り広げられるヒューマンドラマ、カーチェイスやゾンビとの壮絶バトルについても「おもしろい!」と満足気だった。2021年の幕開けは『新感染半島 ファイナル・ステージ』を観て、その熱い鼓動を感じ取ってほしい!
取材・文/有馬楽