リーアム・ニーソン主演作が北米首位スタート!主要配信サイトの視聴者数ランキングは大激戦
アメリカ国内の約3分の2の映画館がいまも営業していないなか迎えた「キング牧師の日」前の週末。これまでも賞レースとは無縁の話題作が公開されサプライズヒットも数多く生まれてきた、一年で最初の連休週末の北米興収ランキングを制したのは、リーアム・ニーソン主演の『The Marksman』。3週連続首位だった『ワンダーウーマン1984』(公開中)の牙城がついに崩れた。
クリント・イーストウッド作品に携わり、『人生の特等席』(12)で監督デビューを飾ったロバート・ロレンツ監督がメガホンをとった『The Marksman』は、海兵隊を引退しアリゾナで牧場を営む男が、メキシコの麻薬カルテルから追われる身となった少年を守るために闘いに身を投じていく姿を描いたアクション・スリラー。
同作は初日から3日間で310万ドルを売り上げ、キング牧師の日を含めた4日間では350万ドルを突破。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、『The Markman』は批評家の34%からしか好意的な評価を得られなかった反面、観客の88%からは好意的な評価を獲得。昨年10月に公開されヒットを記録した『Honest Thief』につづき、このコロナ禍の新作不足の状況がニーソン主演作の根強い人気を証明することに。
一方、先週の主要配信サイトにおける視聴者数ランキングでは、かつての北米興収ランキングのような熾烈な上位争いが繰り広げられた。
「IndieWire」の報道によれば、クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』と、劇場でも順調に興収を積み重ねている『The Croods: A New Age』、新たにPVOD配信がスタートしたトム・ハンクス主演の『News of the World』、キャリー・マリガン主演作『Promising Young Woman』。そして劇場での限定公開と同時に配信がスタートしたネイト・パーカー監督の『American Skin』の5作が競り、AppleTVなど3サイトで『TENET テネット』が首位を獲得。
また同じく「IndieWire」が報じたNetflixの視聴者数ランキングでは『大脱出』(13)などで知られるミカエル・ハフストローム監督の最新作で、アンソニー・マッキーが主演を務めるオリジナル映画『デンジャー・ゾーン』が好調な視聴数でトップを獲得。しかし批評家からも視聴者からも厳しい評価が目立つ結果に。
先日全世界の利用者数が2億人を突破し、年内は毎週新作オリジナル映画を配信していくことを発表したばかりのNetflix。このあとも様々な話題作が控えているとはいえ、あまり幸先の良いスタートとはいかなかったようだ。
文/久保田 和馬