柄本佑、『心の傷を癒すということ』で「僕と尾野真千子がセットになると、ずっとしゃべっている」と笑顔

イベント

柄本佑、『心の傷を癒すということ』で「僕と尾野真千子がセットになると、ずっとしゃべっている」と笑顔

阪神・淡路大震災時に被災者の心のケアに奔走した精神科医、安克昌の人生を描き話題を呼んだNHKドラマを映画化した『心の傷を癒すということ 劇場版』のオンライン舞台挨拶が1月29日に開催され、主演の柄本佑と、テレビ版総合演出を務めたNHK大阪拠点放送局制作部の安達もじりが出席。自身の演じる役柄の妻に扮した尾野真千子について、「発せられる声を聞いて、引き込まれた。真千子ワールドに引き込まれた」と称えた。

安克昌の著書「心の傷を癒すということ 神戸…365日」を原案に、険しい道のりを家族と共に歩んだ彼の人生に迫る本作。安克昌をモデルとした主人公の安和隆役を柄本が演じている。

オンラインで語り合った
オンラインで語り合った

安達は柄本を抜てきした理由について、「もともと知り合いだったんですが、一度もお仕事ではご一緒したことがなかった。この企画を立ち上げた時に一番、信頼している柄本さんにお願いしたいと思っていた。満を持してお願いに上がった」と全幅の信頼を寄せ、柄本は「改めてこうして話すのは恥ずかしい」と照れながらも、「もじりさんとは何度かお会いしたことがある」とコメント。妻で女優の安藤サクラが主演したNHK連続テレビ小説「まんぷく」の演出を安達が手がけていたこともあり、「妻ががっつりお世話になっていて、娘もお世話になっている。親戚のような特殊な距離感。もじりさんと仕事をした人からは『とても楽しいよ』と聞いていて。うらやましくもあった」とお互いに念願のタッグだったという。

また妻役の尾野とは、NHK連続テレビ小説「カーネーション」やドラマ「夫婦善哉」でもタッグを組んだことがあるという安達。「気心の知れた俳優さん。実は安先生のご家族とお食事会をさせていただいた時に、『奥様役は誰が演じてくれたらうれしいですか?』と聞いたんです。すると真っ先に尾野さんのお名前が、ご家族の皆さんから出てきた」そうで、「こちらも満を持してお願いした」という。「僕も尾野さんとは古くて」という柄本は、「(妻役は)尾野さんだと聞いて、『真千子か』と(笑)


。(本作の)おっとりとしていて、かつ、芯のある女性をどのように演じるのかと思っていた。撮影の初日に、尾野さんの発せられる声を聞いて引き込まれた」と惚れ惚れとしつつ、「僕と尾野真千子がセットになると、ずっとしゃべっている。でもそんなことも必要な現場だったというような気もしています」と親しみを込めて語っていた。

本作を通して、「“寄り添う”ということはなんだろうとずっと考えていた」という柄本。安達は「コロナ禍になることは想像もできなかった段階で撮影をした。いろいろと苦しんでいる方がたくさんいる状況において、安先生の生き様は本当に身に沁みるものがある」としみじみと語っていた。

取材・文/成田おり枝

関連作品