トム・ハンクスが「役者として脅威」と絶賛!『この茫漠たる荒野で』の新星ヘレナ・ゼンゲルとは?
第86回アカデミー賞で作品賞など6部門にノミネートされた『キャプテン・フィリップス』(13)のポール・グリーングラス監督とトム・ハンクスがふたたびタッグを組んだNetflix映画『この茫漠たる荒野で』(Netflixにて独占配信中)。このたび、本作でハリウッド映画初出演ながらゴールデン・グローブ賞助演女優賞にノミネートされた新星ヘレナ・ゼンゲルの高い演技力について、ハンクスとグリーングラス監督から熱烈な賛辞が届けられた。
南北戦争終結から5年後を舞台にした本作。町を点々としながら世界各地のニュースを読み伝える仕事をする退役軍人のジェファソン・カイル・キッド大尉(ハンクス)はある日、10歳の少女ジョハンナ(ゼンゲル)と出会う。幼い頃にネイティブアメリカンに連れ去られ、その一員として育てられた彼女を見かねたキッドは、実の家族のもとへ送り届ける役目を引き受ける。そして2人は何百キロにもおよぶ荒野を旅するなかで、数々の厳しい試練に直面することに。
ドイツで生まれ、数年前から子役として活動していたゼンゲルは、本作の撮影当時11歳。そんな彼女について、世界的名優のひとりとして知られるハンクスは「天賦の才を持つ、生まれながらの俳優」と太鼓判。さらに「演技をするなかで、取り繕っている部分がどこにもない。これはすばらしいことであると同時に、役者としてある意味驚異でもある。しかも自信過剰になることも決してない」と手放しで大絶賛。また、グリーングラス監督も「完璧なタイミングで繊細な表現力を兼ね備えた若手俳優。特に感情表現の幅の広さには圧倒された」と語るほど。
一方でゼンゲルは、大先輩であるハンクスとの共演を「どのシーンでも大きな助けになってくれて、そんな彼と友情がテーマの映画を制作するのはすばらしい経験でした」と振り返り、「最初はチグハグなキッドとジョハンナですが、旅の終わりには互いに離れがたい存在になっていくのです」と、劇中同様に強い信頼関係を築いたことを明かしている。
ゴールデン・グローブ賞以外にもアメリカ映画俳優組合賞など数多くの賞にノミネートされ、今年の助演女優賞レースで存在感を示すゼンゲルは、現地時間3月15日にノミネートが発表される第93回アカデミー賞で候補入りを果たす可能性も充分。今後届けられるであろう吉報に期待しながら、将来性抜群の演技をいち早く目撃してほしい。
文/久保田和馬