東日本大震災から10年、事故への記憶を新たに…『Fukushima 50』劇場再上映へ
2011年、福島第一原子力発電所で起きた事故を映画化した『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』(20)。震災から10年目を迎える今年、「東日本大震災から10年『Fukushima 50』3.11を忘れない 特別上映」と銘打ち、劇場で再上映される。
事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られた、門田隆将のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を原作とする本作。日本アカデミー賞では優秀作品賞、優秀監督賞、優秀主演男優賞、優秀助演男優賞、優秀助演女優賞などを含む最多12部門で受賞。さらに、岩代太郎の作曲、世界的ヴァイオリニストの五嶋龍が参加した本作の音楽は、国際映画音楽批評家協会賞(IFMCA)の「ドラマ映画部門」を受賞している。
日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の、福島第一原発事故を描く物語。想像を超える被害をもたらした現場に残った地元福島出身の作業員たちは、世界のメディアからフクシマフィフティと呼ばれた。今もなお帰還困難区域となっている地域、避難を余儀なくされている被災者、廃炉のめどが立たないイチエフ、10年経っても続く大きな余震。まだまだ終わっていない事故の真実が語られている。
世界中が注目した現場では本当は何が起きていたのか?東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った人々の思いとは?今コロナと戦う医療従事者と同じく、原発内で戦い続けた名もなき作業員の目線を通し、震災や福島第一原発事故への記憶を新たにしたい。
文/鈴木レイヤ
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