三浦春馬、松山ケンイチから新田真剣佑らへの「継承」が裏テーマに!本広克行監督が“全肯定”の演出術を告白
「週刊ヤングジャンプ」で連載された笠原真樹の人気コミック「群青戦記 グンジョーセンキ」を、新田真剣佑主演で実写映画化した『ブレイブ -群青戦記-』がいよいよ3月12日(金)より公開。このたび、本作でメガホンをとった本広克行監督が自身の演出術について語るコメントを独占入手した。
本作は、ある日突然学校ごと戦国時代にタイムスリップしてしまう高校生たちを描いた異色の青春アクション。誰もが知る歴史上の戦国武将たちが身命を賭して時代を駆け抜けるなか、スポーツ名門校で活躍していた高校生たちは部活で培った身体能力と現代人の知識を活かし、平和な現代へ戻るために奮闘していく。主人公の西野蒼役を演じる新田を筆頭に、徳川家康役には三浦春馬、織田信長役には松山ケンイチ、そして蒼を支える幼なじみのヒロイン、瀬野遥役を演じる山崎紘菜と、豪華俳優陣の共演にも注目が集まっている。
本広監督と言えば、「踊る大捜査線」シリーズをはじめ、『亜人』(17)や「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズなど、実写からアニメまで幅広い作品を次々とヒットに導いてきた日本屈指のヒットメイカー。そんな本広監督が本作で新田ら若手キャスト陣に課したのは“自分でキャラクターを作りあげる”ことだったという。撮影前の準備期間には自ら考える余地を残した“役柄へのヒント”を与えることで、キャスト陣は現場で率先して監督に相談や提案をするようになっていったとのこと。
それについて本広監督は「役者たちから出てきたアイデアは全部使うようにしました。みんなで考えて意見を出し合ったうえでのお芝居を構築してもらい、それを撮影する。この作業のおかげでキャスト同士のチーム感が、作品内でのキャラクター同士の関係性にも良い形で機能させることができました」と自信たっぷり。さらに「役になりきってその時の感情を声やセリフにしているので、アドリブはほぼ採用しました」と、メインキャスト以外の俳優に対しても“生の演技”を尊重したことを明かす。
また、本広監督は主演の新田について「繊細な青年からパワフルな熱い役まで、あれだけの振り幅で演じられるのはおもしろいと思っていました。今回演じてもらった役は、前半は『ちはやふる』の綿谷新のように煮え切らないですが、後半になるにつれて熱く逞しいキャラクターになっていく。役柄もそうですが、役者・新田真剣佑に関しても、そのどちらの要素もあるのがおもしろく、現場で演出しながら“新田真剣佑のいいとこ取り”をしたな、と感じてました(笑)」とコメント。
さらに本作の裏テーマとして「継承」を強く意識したという本広監督は「三浦さんや松山さんの空気に触れたことは、若いキャストたちにとって本当に大きかった。ベテランの役者から若い役者たちへ。スタッフもベテランから若い世代へとなると良いなと思いました。その代表となるのが、真剣佑が演じた役。そこを重ねて観てもらえると、最初は笑って、次に泣いて、最後は元気になれる映画になっていると思います」と手応えをのぞかせた。
是非とも劇場で、スタッフキャストが一丸となって生みだした熱量たっぷりの演技とアクションを体感してほしい。
文/久保田 和馬