『奥様は、取り扱い注意』綾瀬はるかと西島秀俊が語る、兄妹役と夫婦役で得た深い絆とは?
「やはり兄ちゃんには安心感と信頼感があるなと思いました」(綾瀬)
菜美が見せるのは、東南アジアの伝統武術カリとプンチャック・シラットをベースにしたアクションだ。なかでも綾瀬が苦労したのは、大男の刺客と1対1で激闘を繰り広げるシーンだとか。
「足技も使った全身運動で、呼吸やタイミングを合わせるのが大変でした。相手の方は背も高いし、本当に力が強いんです。ちょっと絞め付けられただけでかなり焦りますし、油断すると勢いよくふっとばされるので、ちょっと手加減をしてもらわないといけなくて、そういうやりとりが大変でした」。
西島は「僕も少しだけシラットを習ったことがありますが、めちゃくちゃ難しいです。足を絡めて相手を倒そうとしても、ちゃんとタイミングや角度が合ってないと全然倒せない。はるぼうの相手はもともと軍にいた方らしくて、本当に強い人なんですね。でも、そこはさすがの身体能力で、菜美が実際に倒しているように見えるという説得力がすごいなと思いました」と感心したあと、「僕も1回連ドラの撮影で、はるぼうの蹴りを受けたことがあるんですが、ブロックしたけど、本当に痛かったです」とボソリ。
綾瀬が「すいません!」と言うと、西島は「いや、それほどリアルで、本当に相手にきく蹴りなんだなと」と笑う。
今回は敵が強い分、アクションのおもしろみも感じたという綾瀬。「アクションの手数や技が増えて大変でしたが、そんななかで相手の方とのタイミングやカメラワークなどがぴったり合うと、すごく感動します。アクションはまさに全身を使った表現なので、かっこいい画が撮れた時は本当にうれしかったです」。
また、「八重の桜」から「奥様は、取り扱い注意」のドラマや映画まで、深い絆を築いてきた2人。いま、相手にかけたい言葉は?と尋ねると、綾瀬は「現場で試行錯誤した部分もかなりありましたが、やはり兄ちゃんには安心感と信頼感があるなと思いました。だから『頑張ったよね、私たち』みたいな感じでしょうか」と照れながら笑う。
「はるぼうはいろんなことにチャレンジしていて、いまや日本を代表する女優さんになったので、すばらしいなと思います」と西島が心から称えると、綾瀬は「ハハハ」と屈託ない笑顔を見せながら「本当に!?」とツッコむ。
西島は「本当だよ」と笑いながら「だから僕も、お疲れ様という意味も込めての『疲れたよね。大変だったよね』かなと」と言って、2人で笑い合った。
取材・文/山崎伸子