中井貴一率いる「華麗なる一族」キャストが劇中衣装でズラリ登場!向井理&藤ヶ谷太輔が丁々発止のやり取り
WOWOW開局30周年記念ドラマ「連続ドラマW 華麗なる一族」の記者発表が4月6日に学士会館で開催され、中井貴一、向井理、内田有紀、藤ヶ谷太輔、麻生祐未、吉岡里帆、松本穂香、要潤、美村里江、笹本玲奈、福本莉子の11名のキャストが、劇中の衣装に身を包んでズラリと登壇。コロナ禍の撮影で奮闘したスタッフを労いつつ、中井が「プロの人たちってこういう仕事をするんだと。プロがみんなで集まってつくった作品ですので、おもしろくないわけがないと思います」と完成作に胸を張った。
山崎豊子の傑作小説をドラマ化した本作。大阪万博を間近に控えた日本の高度経済成長期を舞台に、阪神銀行の頭取、万俵大介(中井)とその一族の繁栄と崩壊を描く。会見には、脚本の前川洋一、西浦正記監督、WOWOWプロデューサーの青木泰憲も出席した。
中井は「時代は変われど、不朽の名作と言われる作品。また新たな『華麗なる一族』を楽しんでいただければという思いで、演じさせていただいた」と力強くコメント。これまでに何度も映像化されているが、「たぶん原作の万俵大介の年齢に一番近いのは自分。いままでにない若さを出していけたらと思っていた」と意気込みを明かした。
愛憎劇を繰り広げる“万俵家”の面々が顔を揃え、それぞれがその一員になれた感激を語ったこの日。中井は「“和気あいあい”がない現場だった。楽しい現場ではなかったよね」と周囲を見渡してニヤリ。「いやいや、誤解があっちゃいけない」と笑いながら、「それぞれの役が、万俵大介に対して憎悪を持っていたりする。役者としては孤独を感じた作品。でもその孤独が万俵大介を作っていくんだと思っていた。撮影現場と役がリンクしていて、とてもよかった」と充実感を語っていた。
本作で兄弟役を演じたのが、向井と藤ヶ谷。向井が「性格は違うけれど、絆の強い兄弟だなと思っていた。信頼感もある」と劇中の兄弟の印象を語り、藤ヶ谷演じる銀平が冷静な切れ者であることから、「“冷たい男”というところは、藤ヶ谷くんとすごくリンクしていた」と藤ヶ谷をからかうひと幕も。藤ヶ谷は「兄さん!」と突っ込み、「びっくりしましたね」と目を丸くして会場の笑いを誘った。「実際にこういうお兄さんがいたらいいなと思っていた」と抱く憧れを、役柄と重ねながら演じたという。
大介の愛人、相子を演じた内田は「これまでは“陽”の役を任されることが多かった。今回はダークサイドな部分を担った」とにっこり。新境地に挑むうえで「撮影の前日は、半べそをかいて稽古をしていた」そうだが、「自分にも闇やサディスティックな部分があるんだなと、後半は気持ちよくなってきた」と楽しんで演じたと話す。吉岡は「相子さんと対峙するシーンは、忘れられない、“恐怖の時間”になりました。恐怖で涙が出るというのは、初めての経験。子どもがお化けを見て、驚いて涙が出るみたいな感情」と内田の悪女役にひるんだことを告白。
さらに藤ヶ谷とのシーンを振り返った吉岡が、「銀平さんとはギスギスするシーンがある。ヒートアップして言い合ったシーンの後に、藤ヶ谷さんが『このシーン、楽しいね』とさわやかにおっしゃっていた。この人、すごいなと思った」と明かすと、藤ヶ谷は「楽しかったですよね!」とにっこり。「非日常を味わった。ライブ感みたいなものがあって、それに対しての楽しさ。そのシーンの内容とかセリフではないので、誤解しないでください」と続けると、向井が「言い訳するなよ」と茶々を入れ、藤ヶ谷が「兄さん!」とタジタジとなるなど、再び丁々発止のやり取りを見せて周囲を笑わせていた。
取材・文/成田おり枝