「のだめカンタービレ」「セーラームーン」今千秋監督が明かす、「極主夫道」で挑戦した“絵を動かさない”アニメーション作り

インタビュー

「のだめカンタービレ」「セーラームーン」今千秋監督が明かす、「極主夫道」で挑戦した“絵を動かさない”アニメーション作り

「『極主夫道』が、リラックスタイムのアロマのような存在であるといい」

メインキャラクターのほかにも、龍を完全に信頼しているご近所の主婦友たちや、スーパーでパートとして働く元極道の姉御である酉井雲雀、関西弁や極道言葉を使うネコの銀など、個性的で濃すぎる面々が大集合。
そのなかでも、今監督が一番好きなキャラクターは「やっぱり龍になっちゃいますね」とのこと。「龍の人の良さ、若干、ボケ要素が強いので憎めないところも好きです。とにかく作業していくうちに、龍に愛着がどんどんわいてきたんですね。それと同時に、途中から美久にギーッと嫉妬の気持ちも出てきたりして(笑)。だけど結局、この2人、夫婦そろってが好きなんだなと実感しました。あの夫婦間のほっこりした感じが魅力的な、家族愛のあるやさしい作品だと思います」。


関西弁や極道言葉を使うペットのネコ、銀
関西弁や極道言葉を使うペットのネコ、銀[c]おおのこうすけ/新潮社

朝から晩まで忙しく働いている美久のサポートも龍の大切な役割である。毎朝、美久のために凝った弁当を作り、写真を撮ってSNSにアップ。常に美久の体調を気遣い、彼女を喜ばせてあげたいと考えている龍は理想の愛妻家だ。仕事を終えて帰宅した時、龍みたいな人がいてくれたらいいなと思う女性も多いはず。

「とても思いますね!お惣菜買わないですね。だって、おうちに美味しい食事が待っているんだもん。もう至れり尽くせりですよ。この作品は、アニメを見るぞ!と身構えるガチガチの方向じゃなくて、ちょっとホッと一息つきたい時にNetflixを立ち上げて、『「極主夫道」観よう~』という感じで気楽に楽しんでいただきたいです。この作品がリラックスタイムのアロマのような存在になればいいなと思っています」。

「『極主夫道』はキャラクターが結構アクロバティックに動く作品」
「『極主夫道』はキャラクターが結構アクロバティックに動く作品」撮影/堤博之

取材・文/石塚圭子

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