『いのちの停車場』で“成長する”吉永小百合に監督が感銘!松坂桃李&広瀬すずは「太陽のような存在でいられるように」
吉永小百合主演映画『いのちの停車場』(5月21日公開)の完成披露試写会が、4月14日に東京国際フォーラムで開催。吉永、松坂桃李、広瀬すず、南野陽⼦、⼩池栄⼦、みなみらんぼう、泉⾕しげる、中⼭忍、⽯⽥ゆり⼦、⽥中泯、成島出監督が登壇。吉永は「撮影が終わった後、私たちにとって、とても大きな悲しい出来事がありました。総指揮の岡田(裕介)会長が亡くなられたことです。でも、今日お見えになった方もいらっしゃると思うのですが、とても温かい励ましとご援助をいただきました。心から感謝しております」とあふれる想いを口にした。
『いのちの停車場』は、終末期患者やその家族と真摯に向き合う在宅医師を描いた医療ドラマ。吉永が、出演作122本目にして、初めて医師役、白石咲和子役を演じた。
吉永は「初めての医師、ドクターの役だったので、わからないことだらけでしたが、成島監督が『孤高のメス』をやっていらしたのでいろいろと指示をいただきましたし、『映画のなかで成長していけばいい』と言っていただいたので」と成島監督に感謝する。
成島監督は「吉永さんとは『ふしぎな岬の物語』でもご一緒しましたが、この吉永さんが、吉永小百合がまだ成長しようとする、ものすごい映画に対して努力するんです。今回の役は年齢に関係なく成長していくので、これはドクターと吉永さんの成長をつかまえたいなと思いました」と吉永をリスペクト。
松坂は「僕とすずちゃんは、成島監督から太陽のような存在でいてほしいと言われて、そうなれるようにしっかりと務めようと現場で向き合っていきました」と気合十分で臨んだ様子。広瀬も「松坂さんとそこをずっと意識しながら演じました。また、自分の過去を話すシーンがあるんですが、そこのシーンは監督からいろんな指導をいただきながらやりました」と撮影を振り返った。
西田は吉永について「憧れの吉永さんと三十何年ぶりにお会いしたんですが、そういう感じがしなくて。一瞬にしてまだまだ初々しい吉永さんがいてびっくりしました。時は人によって公平不公平があるんだなと思いました」とその美しさにうっとりしたとか。
また、吉永と同い年である76歳の田中泯は、劇中で吉永演じる咲和子の父親役をオファーされた時に戸惑いを覚えたそうだ。「ちょっと不安になって監督に『大丈夫ですかね?』と聞いたら『大丈夫、大丈夫』と。本当に撮影期間、必死の想いでしたが、成島監督が言うように大丈夫でした。吉永さんの居方が、僕をおとうさんにしていただいたような気がします」と吉永に感謝した。
成島監督は「本当にすばらしいおとうさんでした。撮影前には5kgも痩せると言っていただきましたが、『命に関わるから、危険だからやめたほうがいいです』と言ったのに、本当に5kg以上痩せてくださった。その気迫がスクリーンに映っていると思います」と田中の熱演を心から称えた。
取材・文/山崎伸子