佐藤健と大友啓史監督も感動!『るろうに剣心 最終章 The Final』IMAXならではの魅力とは?
いよいよ先週末より公開され、2021年実写映画オープニングNo.1の大ヒットスタートを切った『るろうに剣心 最終章 The Final』(公開中)。
先日、池袋のグランドシネマサンシャインで開催された本作のIMAX公開記念イベントでは、シリーズ初となるIMAXで本作を鑑賞した佐藤健、武井咲、新田真剣佑、大友啓史監督が上映後にスタンディングオベーションを受けた。佐藤と大友監督は感動にむせぶなか、そのクオリティに太鼓判を捺したが、はたしてIMAXならではの映像の魅力はどんな点なのだろうか。
『るろうに剣心 最終章 The Final』は、和月伸宏のコミックを大友啓史監督と佐藤健の主演で実写映画化した「るろうに剣心」シリーズの最終章となる2部作の第1弾。緋村剣心(佐藤)の十字傷の謎を知る上海マフィアの頭目、雪代縁(新田)と剣心との死闘が描かれる。
筆者はすでに試写室で本作を観賞済みだったが、グランドシネマサンシャインが誇る幅25.8m×高さ18.9mという国内最大級のビッグスクリーンで体感したIMAX版は、予想していた没入感だけではなく、表現力の繊細さにも改めてうならされた。アクション大作にして、深みのある人間ドラマにも定評がある「るろうに剣心」シリーズを観るには、うってつけの環境ではないかと思う。
大友監督が「スタッフが精魂掛けて作りこんだものが、IMAXだとすべてちゃんと届くと実感しました」と感激すると、佐藤も「たとえば指を汚すのが面倒くさいなと思ったりもしたけど、そこも映るから、ちゃんとやらなきゃなと思いました。実は細かいことをやっていますが、そういったことも情報としてこぼれ落ちてないことにすごく喜びを感じました」と感無量の様子だった。
アクションシーンでの臨場感は一目瞭然に違い、序盤から雪代縁役の新田が魅せる列車内でのアクションが、12chサウンドシステムによって、まるで目の前で展開されているように感じられて圧倒される。
新田自身も「観ながら自分の体がぴくっとしていました」と大興奮だった。本作では、各キャストたちの見せ場となるダイナミックな殺陣が次々と展開されるので、そこはアトラクションさながらに“体感”していただきたい。
そして、グランドシネマサンシャインで体験できる、IMAXレーザー/GTテクノロジーならではの繊細な映像美も秀逸だ。超高解像度映像によって、登場人物の瞳の奥までもきっちりと映しだされることで、剣心たちのセンシティブな感情が手に取るように伝わってくる。特に壮絶な運命に翻弄される者たちの葛藤や慟哭を目の当たりにし、大いに心が揺さぶられた。
また、今回の『るろうに剣心 最終章 The Final』において特筆すべき点は、町を焼く炎と、しんしんと降り積もる雪の表現だろう。リアルな炎の色からは熱が伝わってくるし、雪のシーンでは文字通りの粉雪がつぶれずに映しだされている。
それはIMAXならではの奥行きと、幅広い色のレンジやコントラストによって表現されたもので、剣心や縁たちの壮絶な悲しみや怒りをよりドラマティックに彩っていく。観ていて、琴線と涙腺をダブルで刺激されること間違いなしだ。
ちなみに、6月4日(金)に公開される『るろうに剣心 最終章 The Beginning』も同じくIMAXでの上映が決定しているが、雪のシーンはこの2作を結びつける大切なシーンとなっていて、次作への期待感を大いに煽る。
『るろうに剣心 最終章 The Final』は、佐藤健たちキャストと大友組が全身全霊で挑んだシリーズの集大成といえるべき力作となっただけに、できればベストな環境のスクリーンで観賞していただきたい。もちろんコロナ禍のなかで、皆が皆、特定のフォーマットにこだわって鑑賞できるわけではないのは重々承知しているが、両方観比べてしまった自分としては、やはり「IMAXオシ」と言いきりたい。
取材・文/山崎伸子