【第93回アカデミー賞】脚本賞はキャリー・マリガン主演の痛快な復讐劇『プロミシング・ヤング・ウーマン』
現地時間4月25日(日本時間4月26日)に開催中の第93回アカデミー賞授賞式。脚本賞に輝いたのは、キャリー・マリガン主演映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』(7月16日公開)だった。脚本と監督を務めたのは、ドラマ「ザ・クラウン」(16~)でチャールズ皇太子の妻カミラ夫人役を演じた女優、エメラルド・フェネルだ。
初監督、初の脚本賞ノミネートでオスカー像をフェネルは「こんなんことが起きるなんて!オスカー像ってこんなに重いし、冷たいわ」と興奮しながら「泣かないように頑張ってるわ。私は英国人だから」と喜びを口にした。
妊娠7か月で撮影を敢行したしたフェネルは「この映画、すばらしい人たちと23日間で撮りました。才能と愛とユーモア、愛に溢れた多くの人の協力によって、完成しました」と言ったあと、キャスト、スタッフ、家族への感謝の想いを口にした。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、キャリー・マリガン演じるスリリングで痛快な復讐エンターテインメント。マリガン演じるキャシーは、“明るい未来が約束された若い女性”(プロミシング・ヤング・ウーマン)だったが、ある不可解な事件により、有望な前途を奪われてしまう。そんな彼女には知られざる“もうひとつの顔”があった。本作は、脚本賞のほか、作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされた。
本作は前哨戦で、第4回ハリウッド映画批評家協会賞の作品賞や、2021年全米脚本家組合(WGA)賞でオリジナル脚本賞を受賞。本作で監督デビューを果たしたフェネルは、アカデミー賞監督賞の候補者となった史上7人目の女性で、また史上初の英国人女性となった。加えて『ノマドランド』(公開中)のクロエ・ジャオと共に、2人の女性監督賞候補者が選出されたのも史上初で、受賞の行方が楽しみである。
文/山崎伸子