トム・ハンクス×「GOT」監督のSF映画『Finch』をAppleが獲得。アカデミー賞参戦も?
トム・ハンクスが人気ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」でエミー賞を受賞したミゲル・サポチニク監督とタッグを組むSF映画『Finch』の配給権をAppleが取得。年内にApple TV+で配信公開となることが明らかになった。「Deadline」など海外複数メディアが報じている。
本作の舞台は太陽の大変動によって荒廃した地球。数少ない生存者であるロボット工学エンジニアのフィンチ(ハンクス)は、愛犬のグッドイヤーと共に地下壕で10年の時を過ごしていた。そんなある時、彼は万が一の時に愛犬の世話をしてくれるロボット(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)を作成。そしてロボットに生きることの意味と喜びを教えるため、1人と1匹と1体でアメリカ西部を目指す危険な旅へと出発していく。
当初はユニバーサル配給のもと『Bios』というタイトルで公開される予定だった本作。今回Appleへと配給権が売却された背景には、新型コロナウイルスの影響で多くの作品の公開スケジュールが後ろ倒しになったことが原因とみられている。
昨年ハンクスが主演を務めた『グレイハウンド』(Apple TV+にて配信中)も、新型コロナウイルスの影響でソニー・ピクチャーズ配給での公開が見送られ、Apple TV+で配信公開となっており、その際にハンクスは「とても悲しい」と鑑賞環境のクオリティの差に触れてコメント。それでも同作は先日授賞式が行われた第93回アカデミー賞で音響賞にノミネートされるなど、技術面で高い評価を獲得した。
報道によれば、『Finch』は第94回アカデミー賞に向けた賞レース参戦を視野に入れており、候補資格を得るために劇場公開する可能性もあるとのこと。すでにAppleは、マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロがタッグを組む『Killers of the Flower Moon』の権利も取得しており、近年賞レースで存在感を示しているNetflixとAmazonにApple作品が加わることで、さらに配信作品の勢いは高まることになるだろう。
文/久保田 和馬