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長谷川奈央&市原綾真、初主演映画『美しき誘惑-現代の「画皮」-』で「重圧を2人でわけ合った」と感謝

インタビュー

長谷川奈央&市原綾真、初主演映画『美しき誘惑-現代の「画皮」-』で「重圧を2人でわけ合った」と感謝

「妖艶さを出すために本作の主題歌からイメージを膨らませるなどしました」(長谷川)

舞子は、巧みな仕草や言葉で、出会う男性を虜にする
舞子は、巧みな仕草や言葉で、出会う男性を虜にする[c]2021 IRH Press

ーー長谷川さんは、昼は秘書、夜は高級クラブのホステス、そして裏の顔は“妖魔”という、いろいろな表情を持つ役柄を演じました。変化を演じるうえでも、難しい役どころだったのではないでしょうか。

長谷川「とても難しかったです。お昼の舞子は仕事のできるバリバリのキャリアウーマンなので、背筋をピンと伸ばして、なんでもテキパキと行動することを心がけました。“夜の顔”を演じるうえでは、妖艶さを出すために“ゆらめき”をイメージして演じました。また本作の主題歌『美しき誘惑』の歌詞やメロディからイメージを膨らませるなど、音楽に助けられた部分も大きかったです」

ーー役者さんとしても、新しいチャレンジがたくさんできた役柄になりますね。

長谷川「本当にそう思います。これまで、ここまでダークな役柄をいただいたこともありませんでした。人をたぶらかそうとしている舞子を演じていると、どうしても自分本位になってしまいそうになるんですが、舞子の思考回路に引っ張られないよう、自分の良心を見失わずにいることを心がけていました。舞子を通して、ダークな役を演じる際の心構えができたように思います。役の幅といった意味でも広がりを持つことができたので、たくさんの学びがあった役柄です」

ーー市原さんが演じた太郎は、将来の総理大臣候補でありながら、悟りを開いた名僧と縁の深い人物という役どころ。僧侶姿で登場するシーンもありますが、とてもきれいな坊主頭でした。

太郎は、高い悟りを得た名僧と縁の深い人物だった
太郎は、高い悟りを得た名僧と縁の深い人物だった[c]2021 IRH Press

長谷川「そうなんですよ。みんな『きれいな頭!』と褒めていました」

市原「あはは!ありがとうございます!髪の毛を剃りまして、坊主にしました。坊主頭も、僕にとって初挑戦です。役柄としては、政治家と僧侶という2つの顔を演じることになりましたが、実際に政策担当秘書をしている方にお会いして、政治家がなにを考え、どのような生活をしているのかなどを伺うことができました。また僧侶の面では、『仏の道を求める人はどのような生き方をしているんだろう』と考え、“空海の生涯を追う”というところから、役作りしていきました。生誕地の善通寺や悟りを開いた場所である室戸岬など、空海ゆかりの地をめぐるなど、太郎という役柄を通して、いろいろな勉強をすることができました」


「“本当の自分を探していく”ことができたのは、確実に僕の成長につながっていると感じています」(市原)

【写真を見る】長谷川奈央と市原綾真が挑んだ、“特別な役作り”とは?
【写真を見る】長谷川奈央と市原綾真が挑んだ、“特別な役作り”とは?

ーー特別な役作りに挑んだのですね。本作を通して、どんな成長ができたと感じていますか?

市原「太郎のセリフで、『本当の美しさとは?』と問う場面があります。相手の心の醜さ、美しさを問う役柄を演じるには、自分自身が心の美しさを宿していなければいけないと思っていました。『太郎と同じように、僕も心を磨きたいな』と思い、その過程では自分の心を見つめる作業をすることができました。“本当の自分を探していく”ということができたのは、確実に僕の成長につながっていると感じています。また葛藤する太郎を見つめることで、“誰にでも良心や、相手を思いやる気持ちがあるんだ”と思うことができました。たくさんの学びもあり、本作との出会いは、僕にとってものすごく大きなものとなりました」

長谷川「私と舞子はまったく違う人物ですが、私のなかにも相手からもらうことを望んでしまったり、幸せを外に求めていたところがあるなと気づくことができました。それは本当に大きな気づきです。求めるばかりではなく、与えられる人になりたい。そして周囲に感謝できる自分になりたいと思うことができました。私にとっても、とても大切な作品になりました」

取材・文/成田おり枝

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