BTSの所属事務所「HYBE」を始め、世界のエンタメを飛躍させる韓国企業。次なる戦略は?
5月21日米国東部時間午前12時にYouTubeにアップされたBTSの新曲「Butter」のミュージックビデオが、リリース後24時間で約1億1300万回の再生を記録し、YouTubeの1日の最多再生回数の記録を更新した。解禁と共に同時視聴したのは390万人以上で、YouTubeミュージック・ビデオのプレミア記録を更新し、解禁からわずか2時間で全米iTunesチャートの1位を獲得している。
また、現地時間5月23日に米国・ロサンゼルスで行われた「ビルボード・ミュージック・アワード2021」でも、トップ・デュオ/グループ、トップ・ソーシャル・アーティスト、トップ・ソング・セールス・アーティスト、「Dynamite」でトップ・セリング・ソングの4部門を受賞し、新曲「Butter」を世界初披露した。
BTSを擁する事務所、HYBE(旧名:ビッグヒット・エンターテインメント)は、アメリカの音楽、映像市場で様々な戦略を実行に移している。昨年6月、当時のビッグヒットとアメリカのライブ・ストリーミング企業Kiswe Mobileが業務提携契約を結び、6月14日に行われたBTSのオンラインライブコンサート「BANG BANG CON The Live」を開催。このグローバル提携は、音楽視聴体験の革新を追求しグローバルなビジネスを拡大、世界中のファンが集うコミュニティ・プラットフォーム「Weverse」を筆頭に、多様なサービスを通じ「音楽業界におけるワンストップサービス」を遂行するというもの。
6月のライブでは早速Kisweのマルチビュー・ライブストリーミング技術を使用し、視聴体験のカスタマイズ化を躍進させた。ライブ配信中、視聴者はインターフェースに用意された6つの画面から好きなアングルを選ぶことができ、全世界から100万人以上が同時視聴しても音声面、映像面での安定を保った。
そして今年2月、Big Bang、Black Pinkなどが所属するYG エンターテインメントとユニバーサル・ミュージックがビッグ・ヒットとKisweによる合弁会社KBYK Liveに出資し、新たなデジタルライブストリーミングプラットフォーム「VenewLive」を立ち上げた。この提携により、レーベルの垣根を超えて様々なミュージシャンのライブのグローバル展開が可能になった。
ビッグヒットは2020年10月に韓国株式市場にてIPO(新規株式公開)を行い、2021年1月にはHYBEへの社名変更を発表、3月の株主総会で承認を得ている。今回の社名変更の背景には、韓国証券取引所に上場している同社が、アーティストマネジメント企業に留まらず、より包括的なライフスタイル・プラットフォームを実現する企業としての地位を確立したいという思いがあるという。韓国の報道によると、HYBEは、音楽制作、音楽配信、アーティストマネジメント、ライブマネジメント、インターネット技術、Eコマースなどのエンタメに直結した分野から、旅行、不動産、コミュニケーションなどのライフスタイル分野への進出を計画しているという。