「一刻も早い事業活動の正常化を」映連が6月以降の映画館再開を求める声明を発表
4月下旬に発令された東京・大阪など4都府県への緊急事態宣言。その後、延長や対象地域の拡大を重ねたものの、発令から丸1か月が経った現在でも感染収束への目処は立たず、さらなる延長の可能性も報じられている。そうしたなか、映画製作配給大手4社からなる一般社団法人日本映画製作者連盟(映連)が、6月1日(火)からの映画館の営業再開を求める声明文を発表した。
昨年4月に発令された最初の緊急事態宣言では国内ほぼすべての映画館が約1か月にわたって休業を余儀なくされ、その後、時短営業や座席の間引きなど映画館を中心とした興行場の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が作成したガイドラインに則った厳重な感染対策を講じたうえで営業を再開。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(公開中)などのヒット作が生まれたが、現在まで映画館に起因するクラスターなどは確認されていない。
そうしたなか、3度目の緊急事態宣言によって床面積1000平方メートルを超える大型商業施設への休業要請が出されたことで、対象都府県の映画館の多くが再び休業。当初予定されていた5月11日までの措置期間が延長されるにあたり、政府は休業要請の対象施設の緩和を行なった一方、東京都と大阪府では引き続き映画館を休業要請の対象とし、現在もなお多くの映画館が休業となっている。
今回の声明文のなかで映連は、映画業界全体で感染拡大を食い止めるために要請に従ってきたことに触れたうえで、5月11日に全興連が発表した声明文「映画を愛する皆様へ」にも記されていた、東京都が政府の方針と異なる施設区分を適用して映画館への休業要請を継続した根拠について合理的な説明がなされていないことに言及。現在の措置に対する平等性、公平性について疑問を投げかけている。
そして映画館の休業が、「配給」や「製作」など映画産業全体にも多大な経済的損失をもたらすことになると説明。国内の映画館市場シェアの3分の1を占める東京と大阪で上映できないことは大幅な収入源を意味することや、それを回避するために相次ぐ新作の公開延期が今後の作品にも影響を及ぼし、十分な支援が行われていない「製作」に従事する関係者の生活を脅かすことになるなど、映画業界の厳しい現状について強い危機感を持って触れている。
その上で映連は、映画産業に携わる全関係者を代表し、現在の緊急事態宣言の措置期間が終了する6月1日以降の映画館の営業再開と、映画館に対する不平等な取扱いの是正を強く求めた。
声明文全文は下記の通り。