世界的な批評集積サイトに大波乱!『パディントン2』の“高評価100%”記録がついにストップ
全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、あらゆる作品の評価を一目で確認することができる批評集積サイト「ロッテン・トマト」。投稿されたレビューの賛否を独自の方法で集計し“スコア(%)”として公開している同サイトで、これまで「スコア100%を維持したレビュー数」の新記録を更新し続けていた『パディントン2』(17)に、ついに否定的なレビューが投稿された。
「スコア100%を維持したレビュー数」の記録は2016年11月、『レディ・バード』(16)が、『トイ・ストーリー2』(99)の持っていた163件を上回り新記録を樹立。その後同作は196件目のレビューで否定的な内容が投稿され、スコアは99%に陥落。2018年の春にその記録を上回った『パディントン2』は、公開から3年以上経ったいまでも定期的に新たなレビューが投稿され、245件つづけて好意的な評価を獲得していた。しかし、28日に投稿された246件目のレビューで5段階評価のうち“2”を付けられることとなり、ついにその記録に終止符が打たれることに。
そのレビューを投稿したのは英国メディア「film-authority.com」のジャーナリスト、エディー・ハリソン。脚本家やプロデューサーとしても活動歴のある彼はレビューのなかで、子どもの頃から「くまのパディントン」の物語をこよなく愛してきたことを明かし、「この映画は僕の好きなパディントンではない」「パディントンを知らない人にとってはこれでいいのかもしれませんが、古くからのファンには耐えられない」と、クマを意味する“bear”と、耐えるという意味の“bear”をかけながら原作ファン目線で痛烈に批判。
すると同サイトのコメント欄は、さまざまな意見が飛び交う大荒れ状態に。「あなたの意見を尊重しますが、ロッテン・トマトでの『パディントン2』の100%評価を台無しにすることは許されない」や「あなたには人の心がないのか!」といったハリソンを批判する声があがったり、原作ファンと映画ファンが「どちらが魅力的か」との議論を交わしたり、さらには「そもそも、ここまで評価が高かったのには正直驚いた」という冷静な声も。
『パディントン2』の予期せぬ首位陥落によって、現時点で「スコア100%を維持したレビュー数」のトップは、『ガルヴェストン』(18)のベン・フォスターと『ジョジョ・ラビット』(19)のトーマサイン・マッケンジーが共演した『足跡はかき消して』(18)の238本に。公開から3年が経つ同作は現在でも2か月に1件のペースでレビューが追加されており、将来的に『パディントン2』の記録を超える可能性も充分に考えられる。
また今年2月には「Variety」で、現在「パディントン」の実写映画シリーズ第3弾が開発中であると製作会社「スタジオカナル」の関係者が語ったと報じられている。ストーリーや公開時期については未定で、前2作でメガホンをとったポール・キングは監督以外のかたちで関与するとの話も。大絶賛を勝ち取った前作を超える作品の誕生に期待しながら、続報を心待ちにしたい。
文/久保田 和馬