吉沢亮と山田裕貴、『東京リベンジャーズ』親友対談で明かした夢「いつかダブル主演作品を」
「亮は陰ですごく頑張るタイプ。本番で泣けなかったと言って、めちゃくちゃ泣く練習をしていたことがありました」(山田)
――お互いに俳優として尊敬している点について聞かせてください。
吉沢「いっぱいあります。彼が実際にどう思って芝居をしているのかはわからないのですが、すごく憑依型で、どんな役を演じても本当にその人間に見えます。僕は芝居をしていてもわりと引いていて、自我みたいなものがありつつ芝居をしていますが、彼はとことん入り込み、どこまでも行ける人なんだろうなと。時には芝居から危うさも感じとれる瞬間があり、すごく羨ましいなと思います」
山田「うわ!ちゃんと見てくれてるんですね。僕自身、昔から、本気で役そのものになれたらいいのにというか、『魂ごと変われ!』という感覚で演じているから、もしもそこが伝わっているのだとしたらとてもうれしいです」
――山田さんは、吉沢さんのアプローチについてどう思っていますか?
山田「亮と一緒に取材を受けた時、彼が『自分は入り込むタイプじゃない』と言っていたのですが、僕からすればそんなことを一切感じさせないし、その役として生きているように見えます。それを亮は計算でやっているわけでもないだろうし、どこか自分と折り合いをつけているのなら、そのバランス感覚がすごい。本当に繊細な表情をするし、特に“目の演技”はピカイチだと思います。それに、実は陰ですごく頑張るタイプ。1回、本番で泣けなかったと言って、めちゃくちゃ泣く練習をしていたことがあったよね?」
吉沢「あったあった(笑)。映画で泣く芝居があったんですが、何回やっても泣けなくて。結局、目がスースーする目薬を入れて頑張って泣いたんですが、それがあまりにも悔しかったので、その日からしばらくの間『1週間に1回は泣こう』と思って練習していました。映画を観たり、悲しかったことを反芻させたりして、涙が出てくるまで気持ちを高ぶらせたりしていました」
山田「ね!でも、そこまでやってるタイプには見えないでしょ。実は努力家ですし、俳優としてそれに勝るものはないと思います。僕はできなかったらできない!ああ、ダメだ!と思ってしまうタイプだから、そこはやっぱりすごいと思います」
――お互いにまったく違うタイプだからこそリスペクトしあえるのでしょうか?
吉沢「確かにそうかもしれない」
山田「そうですね。でも『ああしたほうがいい』とかは絶対に言わないし、お互いに押し付け合うことはしません」
「いつか山田くんとダブル主演作品をやりたい」(吉沢)
――初共演は「トモダチゲーム」のドラマでしたが、吉沢さんが、山田さんを美笠天智役に推薦されたそうですね。山田さんのどんな点に惹かれたのでしょうか。
吉沢「おそらく山田くんが出ていた『ストロボ・エッジ』やドラマを観ていて、どれも印象に残る芝居ばかりだったから、いつか共演してみたいという単純な想いからだったと思います。天智役はめちゃくちゃ演技力が必要な役だったので、ちゃんと芝居ができる人にやってほしくて、『山田くんとか出てくれないかな』とマネージャーさんに相談したら、その後、山田くんに決まったのですごくうれしかったです」
山田「僕もめちゃくちゃうれしかったです。また、『東京卍リベンジャーズ』がおもしろいと勧めてくれたのも亮だったので、もう頭が上がらないです。でも、実は僕も当初、亮の『アオハライド』などを観ていて、この人いいなと思っていたから、マネージャーさんからオファーの話を聞いた時『ぜひやりたい!』となりました」
――当時の舞台挨拶でも、お2人が「お芝居の感覚がよく合った」とマネージャーさんに報告されたと言っていましたが、具体的にどういう点が合ったのでしょうか?
山田「テンポ感や雰囲気など、2人で一緒に空気を作れる気がします。ちゃんとキャッチボールができるから、どんな台詞を吐いてもきちんと返してくれるという安心感があります」
――すごく良き友人であり、良きライバルでもあるお2人ですが、今後、お互いにリクエストしたい部分はありますか?
吉沢「ここまできたら、なにかダブル主演作品をやりたい。刑事ものとか、どんな作品でもいいのですが」
山田「やりたい!追って追われる関係性の役でもいいし、一緒に犯人を追う役や、途中でどっちかが裏切るような役もやってみたいです」
吉沢「どれでもいいね。きっといつかできるだろうなとは思ってます」
山田「確かに。いつかやれそうな気がするので、あまり言ってこなかったのかもしれない」
――まさにお2人はあうんの呼吸で、通じあっている気がしますね。
山田「でも、僕はたまに心配になります。そう思っているのは自分だけじゃないかと」
吉沢「僕は逆に、もう心配することすらなくなりました。以前は、こんなに仲良くさせてもらっているつもりなのに、山田くんは僕を飲みに誘ってくれないなと思っていたのですが…(笑)」
山田「それ、何回も言ってるよね(苦笑)」
吉沢「僕は基本的に誰かと飲みたいと思った日は、最初に山田くんを誘うんですが、山田くんはそうじゃないだろうし、たとえ誘われたとしても、すでに5、6人いる状態になったあとなんです」
山田「それは違うよ(苦笑)。そんなことはないです(力強く否定)」
――お2人だからこそ、マイキーとドラケンの熱い友情を体現できたんですね。最後に特にここは観てほしい、というポイントを教えてください。
吉沢「ここまでシンプルな熱い感情をストレートに描いたエンターテインメント作品は、近年なかなかないんじゃないかなと。ただのヤンキーものや学園ものではなく、それぞれのキャラクターの作り込みがすごかったり、演出がおもしろかったりと、シンプルな味付けなのに、ちゃんとおいしいものができあがった感じがします。きっとどの世代が観ても熱くなれると思うので、いろんな人に観てほしいです」
山田「タケミチは過去にタイムリープして初めて、『本当にダメな人生だった』と気づきますが、僕たちは戻れない。そういう意味では、いましか感じとれないことや選択できないことっていっぱいあると思うので、いまの大事さを感じていただけたらいいなと。そうすれば、毎日がもっともっと大事に思えるのではないかと思います。ぜひ映画を楽しんでください」
取材・文/山崎伸子