藤原竜也、『鳩の撃退法』の撮影は「新幹線との戦い」西野七瀬は“お姫様抱っこ”秘話を告白
直木賞作家である佐藤正午の同名ベストセラー小説を映画化した『鳩の撃退法』(8月27日公開)の完成披露イベントが7月12日に丸の内ピカデリーで開催され、藤原竜也、土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、タカハタ秀太監督が登壇。富山でのロケでの思い出を語るなか、藤原がタジタジとなるひと幕があった。
小説と現実、過去と現在が交錯しながら、主人公の天才作家、津田伸一(藤原)が書いた制作途中の新作小説を巡る物語が展開する本作。藤原は「僕が(演じた役が)書いた小説が現実のものになって、これは小説のなかの自分なのか、現実のなかの自分なのかと、演じながら苦労した点もあった。でもここにいるメンバーで楽しく撮影をして、すてきな仕上がりになっています」と胸を張り、土屋は「女優としても、映画ファンとしても、ここまで謎が多い作品もそうそうないと思います。自由に謎にまみれて、深掘りを楽しんでいただけたら」とアピールしていた。
この日の登壇者陣は、今回がほぼ初共演だったそう。風間は「竜也くんの役がまくしたてるようにしゃべっていて、僕が淡々としゃべる役。混じり合わない二人がシンパシーを感じながら、違うペースでしゃべり続けるというのが、いままでにないお芝居の感覚。楽しかったです」と充実の表情を見せた。
「竜也さんのお芝居を見て、育ってきた」と口火をきった土屋は、「今回、竜也さんと掛け合いをさせていただくことが多かった。竜也さんのセリフのスピードやリズム感は、目の前にいてもドキドキハラハラする。舞台を観ているような感覚になった。それも見どころ」とにっこり。「緊張していた」という西野は、「(藤原演じる)津田と(西野演じる)沼本のシーンで、監督が距離感を縮めるために、『ハグすれば』『お姫様抱っこしてみれば』といった感じで、物理的に距離を近づけてほぐしてくれた」と明かしつつ、「なんかちょっと照れちゃいました。でも緊張は、ゆるっとなりました」とタカハタ監督に感謝していた。
また撮影以外の時間も、共演者たちはよい関係を育んだという。土屋は「バーが好きなんですが、(撮影地の)富山で竜也さんが教えてくださったバーがあって。早く終わったので、マネージャーさんとワクワクして行ってみたら、もう竜也さんが座っていらした」とにっこり。藤原は「太鳳ちゃんを待っているかのように。長期の滞在だったので、いいお店を見つけておこうと思っていた」、土屋が「すごく馴染んでいらした」と笑顔を見せ合うなど、息ぴったりの様子を見せていた。
しかし藤原が「いい関係のなかでやらせてもらった。もっともっと、富山にいたかったぐらい」と話すと、周囲は「でも竜也さんは、新幹線との戦いがある」と藤原が帰宅を急いでいたことを暴露した。藤原はタジタジになりながら、「21時38分くらいの新幹線に乗れば、東京に帰れる。20時45分くらいに全カット終了していれば、富山駅までは行ける。そこの戦いもありました」と告白。風間が「その時間に終わらせることを、目標にしていたの?」、タカハタ監督も「現場は、竜也さんを最終の新幹線に乗せるんだということを意識していました」と続き、これには藤原も大笑いだった。
取材・文/成田 おり枝