豊川悦司、映画『子供はわかってあげない』出演で「こんなおっさんでも青春に浸れた」
映画『子供はわかってあげない』(8月20日公開)の完成披露上映会が、7月27日、ニッショーホール(東京・新橋)にて開催され、上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、豊川悦司、沖田修一監督が登壇した。
本作は、第24回手塚治虫文化賞・新生賞を受賞、また「マンガ大賞2015」2位や数々の漫画賞を受賞した田島列島の長編デビュー作「子供はわかってあげない」を映画化したもの。沖田監督が漫画原作で初めてメガホンを取り、主人公・美波役を上白石萌歌が、もじくん役を細田佳央太が務めた。
昨年コロナ禍で公開が延期になった本作。沖田監督は「やっと公開できるのを本当に嬉しく思っています」と喜びを表した。また、この“青春映画”に出演した感想を問われた豊川は「いや~、恥ずかしかったですけどね(笑)。私もあのくらいの年齢の娘がいるのですが、お父さん、娘にそんなことしてもらえませんから、ってね。ホースで水をかけあって、一緒に海に入ったりとか。まるで夢のような時間でした」とニッコリ。
「原作を読んだとき、ものすごく面白いコミックだと思ったのですが、シナリオを読んだときも、なんて言うんだろう、みずみずしくて切なくて。こんなおっさんでも青春に浸れるくらい、筆のタッチと言うんでしょうか、それが素晴らしくて。涙でジーンとするようなところがありました」と、豊川ならではの言葉で作品の印象についても語った。
その後、マイクをバトンタッチした上白石は「豊川さんがブーメランの水着をお召しのシーンがあって。すごく貴重な映像なので、注目して観てみてください」とお茶目にコメント。豊川からは「なんだそれ(笑)」と突っ込まれていた。
そして上白石は、「まさか沖田監督の世界に生きられるとは思っていなかったので喜びを噛み締めました。水泳選手の役は3連続目。全部種目も違っていて、勝手に個人メドレーのようだなと思っていました(笑)。10代最後の夏を宝物のように過ごせました」と振り返り。泳ぐのはもともと“とても苦手”だったというが「小学生のとき2年間だけ水泳を習っていて。早起きして、スイミングのスクールバスで行って帰って、家でかき氷を食べて…というのが私のど真ん中の夏の思い出」と、小学生時代の経験が本作で生きたことも付け加えた。
続けて、夏の思い出&冒険エピソードを問われた豊川は、「役者をやると決めて大学をやめた時」のエピソードを披露。「バイトして20万円くらい持って上京してきたんですけど、夏前にそのお金が切れて。でも、なんとか過ごした記憶があります。携帯電話もない時代で、知り合いのアパートの前で何時間も待ったり、公園の水道の水を飲んだり。でも、結構お金なくても生きていけるなと思って、9月くらいまで一文無しで生きていました。意外と大丈夫なんだなってその時感じました(笑)」と、たくましい思い出を明かしていた。
取材・文/平井あゆみ