コワモテだけど本当は優しい?ぶっきらぼうな連れ去り名人・夜道怪【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第11回:ぶっきらぼうな連れ去り名人・夜道怪(やどうかい)
今回紹介する夜道怪は、お坊さんの姿をして子どもをさらう妖怪。埼玉県の秩父地方や比企郡の一部に伝えられており、民家に忍び込んだり泊めてほしいと騙して家に入り込み、その家の子どもを大きな風呂敷に包んで連れ去ってしまうのだとか。その由来は諸説あり、柳田国男の「山の人生」ではもともと高野聖として修行して歩いた法師であったが、やがて想像上の化け物として語られ、子どもをさらう妖怪になったと考察されている。
遠藤憲一が演じる本作では、日本妖怪の一員として登場。ケイを追って妖怪の世界に迷い込んでしまったダイを“破風なき家の子”だと勘違いし、風呂敷に包んで連れ去っていく。その瞬間に現実の世界に戻ったケイは、窓の外にダイを背負った夜道怪の姿を発見!しかし闇のなかへ消えていってしまい…。コワモテで少々ぶっきらぼうなかんじの夜道怪だが、実は優しい性格なのだとか。
前作『妖怪大戦争』では大天狗役を演じていた遠藤が、ほとんど目だけの演技で恐ろしくも哀愁ただよう妖怪を好演!個性派ぞろいの日本妖怪たちのなかでどんな活躍を見せているのか必見だ!
文/久保田 和馬