「怪獣自衛隊」井上淳哉も熱狂した“新生スースク”のクレイジーぶり「全編どんでん返しの繰り返し(笑)」
「怪獣好きにとっての“壊しの美学”もかなり進化しています」
人類が現有戦力で怪獣と戦う姿を描く本格怪獣コミックス「怪獣自衛隊」で知られる井上は、“新生スースク”のメンバーが怪獣に挑むスペクタクルについて「怪獣も出ますよ、どころじゃない作り込み」と絶賛する。「建物の壊れ方も建造物の構造を踏まえ、破片ごとの大きさまで意識して描いていると感じました。ワンカット、ワンカットどれもすばらしく、怪獣好きにとっての“壊しの美学”もかなり進化していますね。怪獣自体はおもちゃみたいで本気さが感じられないデザインなのに、壊しっぷりはものすごく本気なんですよ(笑)」。
そんな“本気じゃない”怪獣のデザインもポイントになっているという。「スナック的といいますか、かわいいと思っていたのに視点を変えたら容赦なく怖かったという感覚は、『エヴァンゲリオン』シリーズの使徒や、残酷な展開も多い『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズにも通じると思います。それと、俺たち本気でやったらスゴイの作れるけど、これは怪獣映画じゃないからこのくらいにしておいた、みたいな作り手の余裕も感じましたね。漫画で怪獣描写をどうするか一生懸命考えている僕にとっては、ジャブでK.O.されたような…」。
観ている間圧倒されっぱなしだったという井上は、本作の魅力をひとことで言うなら「翻弄される気持よさ」だという。「観ているうちに自分がドMというか、引きずり回される感覚が楽しくなってくるんです。最後にどんでん返しがある映画はたくさんありますが、これは“最後”とかケチくさいレベルじゃなく、全編どんでん返しの繰り返し(笑)。心の準備はしなくていい。とにかく体一つで観てくれ!みたいな映画ですね(笑)」。
取材・文/神武団四郎
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