危険すぎる“鬼”の仲間!巨大な蜘蛛のモンスター・土蜘蛛【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第28回:巨大な蜘蛛のモンスター・土蜘蛛
今回紹介する土蜘蛛は、巨大な蜘蛛の化け物。「日本書紀」などには、古代に朝廷に従わない先住民への蔑称としてその名が使われていたが、中世になると妖怪として説話に登場するようになる。代表的なものは「平家物語」にある源頼光による土蜘蛛退治で、土蜘蛛の魔力によって病に関わった頼光が、渡辺綱ら四天王と共にそれを退治するという話だ。映画『大江山酒天童子』(60)では、長谷川一夫演じる酒呑童子の配下として人間を襲撃。同作の象徴的なシーンとして知られている。
本作では茨木童子と酒呑童子が率いる鬼の一族の魔物として登場。身体は蜘蛛だが頭からは角が生え、鋭い牙も持ち合わせた鬼のような顔の持ち主で、見るからに危険。武神様のもとを目指すケイと狐面の女の頭上から突然襲いかかり、水龍と激しくぶつかり合う。よく見ると1匹ではなく複数いるようだ。そして土蜘蛛の出現にあわせて鬼の一族がケイたちの前に立ちはだかり…。
鬼の一族との対峙と巨大モンスター同士の激しいデッドヒートは、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』中盤の最大の見せ場。その戦いぶりに注目してほしい!
文/久保田 和馬