伊藤万理華、『サマーフィルムにのって』公開に感無量「映画がなくならないように作り続けていきたい」

伊藤万理華が主演を務める映画『サマーフィルムにのって』の公開記念舞台挨拶が8月7日に渋谷ホワイトシネクイントで開催され、伊藤はじめ、金子大地、河合優実、祷キララ、松本壮史監督が登壇。伊藤が「映画のなかでも未来の話をしている。まだ不安が拭いきれない状況が続いていますが、この作品を観たことによって希望が見えるとすごくうれしい。いまスクリーンの前でご挨拶できていることが感慨深いなと思っている」とコロナ禍で公開がかなった喜びを噛み締め、「これが続くように、映画がなくならないように、私たちも作り続けていきたい」と映画の未来について語り、大きな拍手を浴びた。

本作は、元乃木坂46の伊藤が時代劇オタクの高校3年生、ハダシ役を演じた青春映画。映画部で自分が望む時代劇を作れずにくすぶっていたハダシが、武士役にぴったりの凛太郎(金子)と出会ったことをきっかけに、個性的な仲間と共に映画制作に乗りだす姿を描く。

伊藤は「ハダシとしても、私自身としても感慨深い」と会場を見渡し、昨夜は「緊張して、眠れなかったです」と告白。金子も「うれしいです」と観客を前に公開を喜び、「いま観るべき映画。少しでも元気になってもらえたらなと思います」とアピール。さらに伊藤の演技について、金子は「最高っす」と笑顔を見せ、「伊藤さんにしかできないハダシ。びっくりです。リスペクトします」と大絶賛していた。

コロナ禍で一時は撮影が中断した。河合は「『今日、(撮影を)中断します』と言われて。みんな言葉を失いました。その知らせの後に撮ったシーンで、キララちゃんがポロッと涙を流して、カメラに見せないように拭うところがあった。祷キララとしての涙なのか、(演じた)ブルーハワイとしての涙なのか、ずっと心に残っています」と振り返る。

祷は「撮影が中断になった翌日に、ポスターのスチール撮影があった。屋上で叫んでいるビジュアルは、『なんで中止なんだ！』『絶対に撮影を再開してやる！』とやけくそになって叫んでいるところ」と裏話を明かし、伊藤も「楽しそうに見えるけど、やけくそだったよね。やるしかないという気持ち」と懐かしんでいた。

ハダシと凛太郎が対峙するシーンに話が及ぶと、伊藤は「負けないようにという気持ちで向かった。それを全部、凛太郎が受け止めてくれた」と金子に感謝。金子も「集中力を切らさないで、頑張ろうと思った。伊藤さんが本気でぶつかってきてくれたので、ああいったシーンが出来上がった」と伊藤を称えていた。

取材・文/成田おり枝