実はかなり危険?空を舞う長〜い布の妖怪・一反木綿【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第33回:空を舞う長〜い布の妖怪・一反木綿
今回紹介する一反木綿は、空中をひらひらと舞う白い布の妖怪。「ゲゲゲの鬼太郎」によって全国的によく知られた妖怪だが、実は鹿児島県の大隅半島の東にある肝付町(旧高山町)に伝えられるローカル妖怪。土佐光信の「百鬼夜行絵巻」に描かれた布の妖怪がルーツと言われているが、定かではない。夕方ごろに現れ、人を見つけると巻きついて窒息させ、空へ連れ去ってしまうといわれており、人気とは裏腹にかなり危険な妖怪でもある。ちなみに“一反”の長さは着物の布の単位で11メートルと少々。
本作では日本の妖怪たちの仲間として登場しており、妖怪の世界に迷い込んだケイが、次から次へと現れる妖怪たちに慌てふためくなか、画面の上部を2回にわたって飛来している様子が確認できる。ちなみに同じシーンでは、おばあさんの顔を持つ火の玉妖怪の姥火や、燃え盛る車輪の妖怪・輪入道も近くを通っており、気を付けて飛ばないと燃えてしまうかも…。
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』には、一反木綿のような人気妖怪たちが多数登場。ほんの少ししか出てこないものもいるので、スクリーンから片時も目が離せない!
文/久保田 和馬