どこからともなく現れる!妖怪獣を鎮める3人組の音楽家・東儀秀樹【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が現在公開中だ。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第45回:妖怪獣を鎮める3人組の音楽家・東儀秀樹
今回紹介する東儀秀樹は、雅楽を演奏する3人組の妖怪。クライマックスで繰り広げられる妖怪獣と大魔神の戦いの最中、ある大切なことに気が付いたケイの呼びかけに呼応するようにして、隠神刑部と八百八狸が腹鼓を打つと、どこからともなく神々しい背景と共に姿を現す。新祇装束をまとった外見は3人とも一緒だが、演奏する楽器はそれぞれ篳篥、龍笛、笙と異なっている。
演じているのはもちろん、雅楽の第一人者である東儀秀樹。映画出演は、一条天皇役を演じた『源氏物語 千年の謎』(11)以来10年ぶり。本作で妖怪獣を鎮めるために歌われる「鎮め歌」は、荒俣宏が作詞を務め、東儀が作曲を担当。歌詞に登場する「速佐須良(ハヤサスラ)」とは、罪穢れを消すといわれる、黄泉の国の神「ハヤサスラヒメ」のこと。全妖怪たちが歌い上げる「鎮め歌」は、本作のハイライトだ。
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の壮大なクライマックスを盛り立てる3人の東儀秀樹と、一度聞いたら耳から離れない「鎮め歌」。思わず「あれ あれ ハヤサスラ」と口ずさんでしまった人は、ふたたび映画館に足を運び、ケイと妖怪たちの大冒険を何度でも楽しんでほしい!
文/久保田 和馬
※記事初出時、キャラクター名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。