入江悠監督10年ぶりの自主映画『シュシュシュの娘』、舞台挨拶でキャストから明かされた映画愛と人間力

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入江悠監督10年ぶりの自主映画『シュシュシュの娘』、舞台挨拶でキャストから明かされた映画愛と人間力

ミニシアターへの支援をすべく、入江悠監督が、「SR サイタマノラッパー」シリーズ以来10年ぶりに撮った自主映画『シュシュシュの娘』(8月21日公開)のプレミアム試写会が、8月11日に渋谷ユーロスペースで開催され、上映後に入江監督、福田沙紀、井浦新が舞台挨拶に登壇。本日、同時刻から本作が上映された全国ミニシアターとリモートでつないでのオンライン舞台挨拶を行った。

本作は、全国のミニシアターでの上映を目指し、コロナ禍で仕事を失ったスタッフ、俳優陣、未来を担う若者たちと、1011名ものサポーターによってクラウドファンディングで製作された1作。本プレミアム試写会での入場料の全ては、ミニシアター支援のため、各劇場に寄付される。最初に音声などのトラブルが発生するも、MCを務めた笠井信輔は「こんなこともあります!」と笑顔でフォローし、会場の空気を温めていく。

主人公、鴉丸未宇役の福田沙紀
主人公、鴉丸未宇役の福田沙紀

『シュシュシュの娘』のヒロインは、役所に勤めながら、ひとり身で祖父、吾郎(宇野祥平)の介護をしている鴉丸未宇、25歳(福田沙紀)。ある日、同じ役所に務める先輩の間野幸次(井浦新)が、市役所の屋上から自殺する。やがてそれが、理不尽な「文書改ざん」を命じられた末の死だと知った未宇は、吾郎から「仇をとるため、改ざん指示のデータを奪え」というミッションを与えられる。


ヒロインを務める福田は、大手事務所のオスカープロモーションを2020年8月31日に退社してフリーになったが、本作へは並々ならぬ想いでオーディションに臨んだそうだ。
「仕事用のメールアドレスを作ったきっかけが、今回のオーディションでした。今後も自分が俳優としてやっていけるかとかを考えつつ、これまで歩んできた道のりを振り返ることが多い時期だったので、たまたま目にしたオーディションの告知を見て、すがる想いで応募しました」と告白。

間野幸次役の井浦新
間野幸次役の井浦新

福田は「最初に監督から電話をもらった時、手が震えて泣きました。自分が今後どう歩いていくかという時、自分に大きな自信があったわけではなかったので、こういう出会いがあったことはすごいことだなと。そこから入江監督は、丁寧にいろんなやりとりをしてくださった」と入江監督に感謝した。

未宇の親友、丹治紗枝子役の根矢は「まず一番の喜びが、入江監督が自主映画を撮るってことでした。実は私自身が映画を志したきっかけが『SR サイタマノラッパー』でした。いわゆる自主映画を観たのが、私にとっては初めての体験で、こんなにおもしろい日本映画があったんだと知り、映画の道を選んで進学しました」と入江組に参加できた喜びを口にする。

また「私もコロナで当時ドラマに入っていたものが止まってしまったり、出演予定だった舞台も完全中止になったり、映画も来年、再来年どうなるかわからないという状態で、すごく落ち込んでいたんですが、そういう時に助けてくれるのも映画でした」と映画への愛を語ったあと、本作について「全国のミニシアターと、こうやってつながるってことも異例だと思うので、この映画自体に関われたことが本当にうれしくて」と感無量の様子。

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