「どこまで原作を再現できるか、日々探求しています」越前リョーマ役・今牧輝琉が語る「テニミュ」への限りないこだわり
2003年より1stシーズンがスタート、先月4thシーズン 青学(せいがく)vs不動峰公演の初日を迎えた“テニミュ”こと、ミュージカル「テニスの王子様」。1999~2008年まで週刊少年ジャンプで連載された人気作「テニスの王子様」は、テニスの名門校、青春学園中等部に入学したテニスの天才少年である越前リョーマが、テニス部の仲間たちと共に全国大会優勝を目指す物語だ。
こちらを2003年に舞台化し、2.5次元ミュージカルの先駆けとなったのがこの「テニミュ」。本作品を卒業したキャストは300人を超え、多くの実力派俳優を輩出していることから、若手俳優の登竜門とも言われている。
そんな本作で、主人公の越前リョーマを演じるのは今牧輝琉。3歳からダンスを習い、舞台と出会い魅せられて、この世界を志したという。そんな自身が思う、「テニミュ」のおもしろさと役への思いを、発売中の「シアターカルチャーマガジンT.(ティー)」44号の未掲載カットと共にお届けする。
「日々変化し続ける、舞台ならではのおもしろさを感じてほしい」
――「テニミュ」は今年で18周年を迎える2.5次元ミュージカルの人気作ですが、その魅力や舞台ならではのおもしろさを教えてください。
「原作へのリスペクトがものすごいところです!再現度が高くてキャラクターや技も徹底して作品に寄り添っているので、初めて観る方も原作が好きな方も、きっと楽しんでもらえると思います。さらに生身の人間が演じているからこそ、公演を通じて役者も日々成長させてもらえるので、何度も観てくださる方には違いも気付いてもらえたらうれしいし、その変化も楽しんでほしいです」
――越前リョーマ役が決まったときの感想を伺います。
「驚きました!ある日、ミーティングがあるからとマネージャーさんに呼ばれて事務所に行ったら『リョーマ役で受かったよ』と言われて、うわー!ってなりました。あとから『俺がリョーマ!?』とだんだんと喜びが湧いてきました。テニミュは有名な作品なので、発表された時は友達からのLINEが止まらなかったです(笑)」
――演じるうえで心掛けていることはなんでしょう。
「リョーマは超生意気で感情をあまり表に出さないので、マンガやアニメを参考に勉強しています。誰かがなにかを言ってもちょっとムスッとしたまま、首から上の角度を変えてみるとか、瞬きや目線といった細かい動きで気持ちを伝えようと努力しています。そのせいか最近は自分でもあまり笑わなくて、一人でニヤッ、とかしています(笑)」
――リョーマと似ていると感じるところはありますか?
「ものすごく負けず嫌いなところです。壁にぶつかることがあっても、努力して試行錯誤を繰り返して乗り越えていくところも似ているかもしれません。ただ、普段はわりとテンション高めなので、実はリョーマよりも四天宝寺の金ちゃん(遠山金太郎)に近いかな、と思っています」
――俳優として日頃、どんなエンタメに触れていますか?
「海外のミュージカル映画が好きです。特に『グレイテスト・ショーマン』はDVDを繰り返し観ていて、一時期は毎日口ずさんでいました。あとは怖いもの見たさでホラー映画の『チャイルド・プレイ』とスティーヴン・スピルバーグ監督の『JAWS/ジョーズ』。とにかく怖いけど、おもしろいんです」
――最後に4thシーズンへの期待をお願いします。
「リョーマとして全員を引っ張っていく、という責任はありますが、仲間が支えてくれるから重荷ではありません。一つの役をこんなに長く演じるのは初めてのことですが、ここまでテニミュを応援してきてくださった方々に感謝して、さらに作品が続いていけるように、みんなでがんばっていきます。最高の舞台を届けるために全力でぶつかるので、一緒に思いっきり楽しんでください!」
ミュージカル「テニスの王子様」4thシーズン 青学(せいがく)vs不動峰は、8月29日(日)まで上演。今回から演出やセットも一新され、新しい「テニミュ」が始まる4thシーズン。青学メンバーが全国制覇へ向けて最初の一歩を踏み出す本作を、今牧をはじめとした新キャストたちの成長も楽しみながら、その幕開けを見届けてほしい。
取材・文/おーちようこ