冷酷でオシャレな紳士!世界で一番有名な吸血鬼・ドラキュラ伯爵【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が現在公開中だ。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第46回:世界で一番有名な吸血鬼・ドラキュラ伯爵
今回紹介するドラキュラは、19世紀の小説家ブラム・ストーカーが発表した怪奇小説「ドラキュラ」に登場する男性の吸血鬼(ヴァンパイア)。催眠術を操り、力が強く、オオカミやコウモリに変身することができる。名前があまりに有名なため混同されやすいが「ドラキュラ」とは本作に登場する吸血鬼の個人名のため、吸血鬼のことをドラキュラというわけではない。これまで数え切れないほど多くの作品でモチーフにされており、一般的にイメージされる紳士的な風貌が定着したのは、ベラ・ルゴシがドラキュラ役を演じたユニバーサル・ホラーの古典『魔人ドラキュラ』(31)以降と言われている。またクリストファー・リーが同役を演じた『吸血鬼ドラキュラ』(58)によって、大きな牙を持つイメージが定着したとか。
本作では、日本の妖怪たちだけでなく世界中のモンスターたちも一堂に会した世界妖怪会議<ヤミット>のシーンに登場する。青白い顔にオシャレな服装。よく見ると口元には牙がのぞいており、その出立ちはイメージそのもの。妖怪獣が東京へ向かっていると聞き「人間がどうなろうと関係ないだろ」と冷酷な一面を見せると、「日本は日本。我々は関係ない」とバッサリ。その言葉を受けて皆続々と退席してしまうことから、モンスターたちのリーダー的存在であると考えられる。
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の序盤に描かれるこの<ヤミット>のシーンは、ほかのシーンには登場しない妖怪や海外のモンスターも画面いっぱいに登場する。見落とさないように目を凝らしてほしい!
文/久保田 和馬