野村周平「映画の興行収入は初週が大事!」と観客に呼びかける
河野裕の青春ミステリー小説を実写映画化した2部作の前編『サクラダリセット 前篇』(公開中)の初日舞台挨拶が3月25日、TOHOシネマズ 新宿で行われ、出演者の野村周平、黒島結菜、平祐奈、健太郎、玉城ティナ、恒松祐里と、深川栄洋監督が登壇した。共演者をイジり、深川監督に文句を言う野村は「映画の興行収入は初週が大事!」と観客への作品アピールも忘れなかった。
同世代の出演者のみが登壇したことから、トークは和気あいあい。撮影初日は血だらけのシーンからだったということもあり、健太郎も黒島も「初日からこのシーンか…」と、そのときの心情を明かした。すると健太郎に対し、野村は「(スタッフへの)文句だ!」とヤジを飛ばし、からかう。そんな野村を慣れた様子で、健太郎は「これから頑張らないとな!と(思った)」と振り切った。恒松も「私もこの(初日の血だらけの)シーン」をあげると野村は「みんな文句ばっか!」と笑いとばす。
劇中に出てくる記憶保持能力から、撮影から今日まで忘れられないエピソードを披露。役作りのために人生初の金髪にした恒松は、その姿に自分自身で衝撃を受け忘れられなかったとそう。「学校にも金髪で行って、すごく楽しかった。下校途中でおじさんに“あ、ピカチュウだ”と言われた。そのとき、ポケモンGOが流行っていたからかな」と声を弾ませる。
玉城は撮影前の本読みが忘れられなかったといい、「初めて、ひとりひとりの思いがその本読みで繋がっていくというか、今から撮影が始まっていくんだなと実感した」と振り返った。
野村と平以外は人見知りだといい、野村は「本読みのときって初対面なので、(元気よく)おはよう!おはよう!と声をかけても、健太郎とか“(トーン低く)おはよう”で感じ悪って。黒島ちゃんも“(トーン低く)おはようございまーす”って。みんな俺のこと嫌いなんかなって」と、しょんぼりした様子をのぞかせた。
健太郎は野村からのイジりが忘れられないといい、「イジりというか、いじめというか…時にそれがいい意味合いだったりするときもあるんですけど、基本辛い」と本音を漏らした。泣くシーンが多かったが、実は泣くシーンが得意ではないという平。悩んでいたときもあったそうだが、深川監督は平がどうしたら涙が出るか読み取り、本番直前までそばで見守ってくれたという。「どうしてここで泣くのか丁寧に説明してくれた」と感謝し、「本番が始まったらすべてあなたのものだから」という深川監督の言葉にグッときたそうだ。
セリフがほとんどなかったという黒島は「感情表現が難しい役だったので、クランクアップの日に今までにない達成感。頑張ったな、と初めて自分で思えた。今までにない、自分の中に生まれた感情」と感慨深げ。御殿場で宿泊して撮影をしていた際、虫にさされ顔が腫れたという野村は「黒島ちゃんも虫にさされて目が腫れていたときには撮影を止めたのに、俺が腫れてたときには止められなかった」と、女優との扱いにジェラシーをのぞかせた。
そんな野村は、スタッフに向け「公開おめでとうございます!」、取材陣に向け「公開が多い今日は、このあとも仕事があると思いますので頑張ってください」と労い、観客の「周平くん!」の声には「どうも、周平ですよ」と応え、「映画の興行収入は初週が大事ということで、初週でいいです!今日からの1週間なるべく多く映画館に足を運んでください!」と観客に呼びかけ、会場を盛り上げ続けていた。
青空をバックにし、登場人物たちが三者三様の表情を見せる映画のメインカットからは、学生の恋愛映画をイメージする。しかし、実際は、特殊な力により死んでしまった同級生を救おうとする男女の姿を描くミステリーだ。深川監督も「『サクラダリセット』という装いと雰囲気から、最近出ている若い男女や女子高校生の恋愛ドラマを期待して観に来るお客さんが試写のときにも多かった」と話していた。「リセットした後、野村くんや黒島さんの持っているモチベーションの違いや、ひとつひとつが細かく芝居している」と太鼓判を押した。後編は5月13日(土)に公開される。【Movie Walker】