上白石萌歌、細田佳央太に「すごく支えられた」と感謝『子供はわかってあげない』初日舞台挨拶
第24回手塚治虫文化賞・新生賞をはじめ、数々の漫画賞を受賞した田島列島の人気コミックの実写化映画『子供はわかってあげない』が8月21日より公開され、翌22日にテアトル新宿で公開記念舞台挨拶が開催。主演の上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、沖田修一監督が登壇した。上白石は1年の公開延期を経た本作について「撮影は2年前で、公開予定が1年前でした。ようやく心から大切な映画を観ていただけます」と喜びを口にした。
本作は、主人公の美波(上白石萌歌)とシャイで素朴な青年、もじくん(細田佳央太)との甘酸っぱすぎる初恋や、元新興宗教の教祖である実父、友充(豊川悦司)と美波との再会などを描く青春映画。
上白石はクライマックスにある、細田との重要なシーンについて「原作や脚本を読んだ時も、本当に震えるほどすばらしいシーンで、胸がいっぱいになってしまって。恥ずかしくて大笑いした後に泣いてしまうというお芝居なんて、無理なんじゃないかと思っていたんですが、撮影の日にもじくん(細田)を見て、泣けてくるような気持ちとか高揚感を感じました。クランクアップの日でしたが、沖田さんを中心に、この組の絆を感じた空気のなかだったので、すごくやりやすかったです」と撮影を振り返った。
同シーンを上白石や細田たちは、本日舞台袖から観ていたそうで、細田も「やっぱりあのシーンを見るだけで、撮影風景とかが蘇ってくるぐらい本当に大きな核になっているシーンだなあと思いました」とうなずいた。
また、細田は上白石について「役づくりを含めた精神的な強さみたいなところに、一番影響を受けました」と語り「ずっと陽に当たってるし、毎日撮影があるから疲れるじゃないですか。それでもそういう疲れた顔1つ見せなくて。自分も変わらなきゃいけないなあと、すごく勉強になりました」と上白石を称える。
上白石もそれを受けて「でも私は本当に、佳央太くんにすごく支えられていて、本当にもじくんを演じられるのは佳央太くんしかいないと、いまでも思っているので、美波を引きだしてくれたのは、もじくんの心の広さとかがあったからだとすごく思っています」と細田に感謝した。
また、映画にちなみ「わかってはいるけど、やめられないこと」というお題についてクロストーク。
千葉は「歳を重ねてくると、ぬいぐるみと距離ができてくるので、いまの家に引っ越した時、大人の部屋を目指そうとさよならしたんですが、寂しくて。いま気づいたら、ベッドがぬいぐるみだらけです。こんなこと言うと、また、“あざとかわいい”とか言われるんですけど」と苦笑い。MCから「どんなぬいぐるみがいるんですか?」と尋ねられると、千葉は「ポケモンとか、ポムポムプリンとか」と言うと、細田が「かわいい」と笑う。
細田は「いろんな商品で、“99%除菌”みたいに書かれていますが、100%にすると、“絶対”になって責任が生まれるのはわかるけど、1%の自信が持てないのはなんなんだろうと…」と言うと、沖田監督が「舞台挨拶で話すことじゃないね」と苦笑い。
すると千葉が「でも、もし“99%除菌”のCMが来たら?」とツッコむと、細田は「全力で言います」と言って、会場を笑いの渦に包んだ。また、上白石は「ガチャガチャです。最近ハマっていて、地面にかばんを置いてしゃがんで回し続けるんですよ。気づいたらすごいお金を使っちゃってます」と苦笑いした。
その後、上白石たちに、原作者の田島列島から、サプライズでイラストつきのメッセージがスクリーンに投影され、ゲスト陣は大喜びした。
最後に上白石は「本当に皆さんが活気を得られるような作品になっているので、ぜひ大切な方とこの作品を観てほしいです。この作品には教え合うというテーマがあると思うので、ぜひ作品を教え合っていただき、いい循環ができたらいいなと」と力強く締めくくった。
取材・文/山崎伸子