有村架純と志尊淳がコロナ禍の社会と向き合う。ドキュメンタリー映画『人と仕事』が公開決定
<コメント>
●森ガキ侑大(監督)
「大学時代に初めてドキュメンタリーを作った際に、もう二度とドキュメンタリーは作らないだろうと確信したのを覚えている。やはり、現実は悲惨でこの世の中には卑怯で劣悪な物事で溢れかえっている。なので、ドキュメンタリーを作っていてとにかく精神的に辛かった。だから、自分は現実から目を背けて生きていく方がよっぽど良いと思ってから17年後にまさか、ドキュメンタリー映画を制作するとは思いもしなかった。
ドキュメンタリーを制作した事で自分は社会との接点をようやく見つけられたかもしれないと感じる事ができた。こんな時だから作る理由があると僕は直感で感じました。気がついたら一瞬のうちにカメラをまわして世の中を駆けずり回っていた。多くの人の心を揺さぶる事ができればと思っております」
●河村光庸(企画・制作・エグゼクティブプロデューサー)
「新型コロナウイルスの世界的感染はとどまることを知りません。当初私はそのリスクはすべての人々に均等にあり、集団の判断が優先されるいま、現代日本人に欠けている“個の自立”が多くの人々に自然に植え付けられていくのでは…と思っていました。しかしその思いは見事に幻想に終わりました。“個の自立”は“自助”にねじ曲げられ、人々は“自己責任”を強いられ、結果、“個”の分断が引き起こされ“社会の分断”へと拍車がかけられたのです。そして、そのことは、別のかたちで、いわゆる人の人たるいとなみ『仕事(職業)』に顕著に表れていきます。
『エッセンシャルワーカー』と『リモートワーカー』。特に生身の“人”でしかできない“仕事”をつかさどるエッセンシャルワーカーには、コロナで生み出された“負”のすべてが背負わされるのです。自粛による壊滅的な打撃を受けたり、分断や差別に晒されたり、リモートワーカーとエッセンシャルワーカーの格差は拡大し、たったいまの社会の分断はもちろんのこと、人間社会の大いなる矛盾を浮き彫りにしました。この映画は、仕事をしている“人”誰もにやさしく寄り添っていこうとチャレンジをしています。そして、この困難のなか、人と仕事の本質を垣間見、時代の変化を実感していただけたらと願っております」
文/久保田 和馬