「孤独のグルメ」久住昌之&ホフディラン小宮山が語る“お酒と映画”『アナザーラウンド』イベントレポート
今年のアカデミー賞国際長編受賞作を受賞したマッツ・ミケルセン主演映画『アナザーラウンド』(9月3日公開)。本作の公開を記念したオンライントークイベントが開催され、「孤独のグルメ」原作者の久住昌之、ホフディランの小宮山雄飛が出演。MCは映画評論家の森直人が務めた。
本作は、デンマークを代表する人気実力派俳優マッツ・ミケルセンが、アカデミー外国語映画賞にノミネート作『偽りなき者』(12)のトマス・ヴィンターベア監督と再タッグを組んだ主演作。
マッツ・ミケルセン演じる冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、マーティンたちは生き生きとしていく。さらに生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向に向かっていくと思われたが、すべての行動には結果が伴うのだった――。
「お酒と映画」というイベントのタイトルにちなみ、久住と小宮山はビールで、お酒が飲めない森はソフトドリンクで乾杯してトークがスタート。映画の感想について久住は「“酔っ払い万歳!”みたいな映画は好きじゃないので、この映画はすごくいいと思いました。最初はちょっと暗く感じて“暗い酒飲みの話は嫌だな”と思ったけれど、段々おもしろくなっていくところがよかったです」と語り、「僕はこの映画から“人生大逆転!”という印象は受けなかったので、予告編とはちょっとイメージが違うかな」とコメント。
小宮山も「コメディなのかシリアスなのか分からない状態で観ていたけれど、だんだんクスクス笑える映画ということに気づいて、“ここは笑っていいんだ”と思うようになっていく不思議な作品でした。『ハングオーバー!』シリーズのようなタイプのお酒の描き方ではない。ぬるっと入っていく、感動すべきなのか、笑い飛ばすべきなのか、というバランスがなんとなくオシャレな感じもしました」と解説した。
「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」をテーマに実験をする主人公たち。アルコールで人生が破滅していくタイプの映画はよくあるけれど、アルコールを少し入れることで効率が良くなるとは考えたことがない、と力説する3人。久住は「お酒の味が好きだから飲む。おいしいから飲むし、そもそもアルコールにちなんだ数字を信じていないんです!」と笑顔で強調。
小宮山も「飲むとうれしいし楽しい。だからとにかく毎日飲みます」とそれぞれがお酒を飲む理由を明かした。実は少食だという久住は「仕事や用事がすべて終わってからお酒を飲むので、飲み始めるのが夜中になるんです。だから食べながら飲むことはあまりないですね。お店だったら食べてもお通し程度で十分です」と明かす。おいしいものが大好きだという小宮山は「飲むのと食べるのはセットです」と強調した。