有村架純&志尊淳、コロナ禍で俳優業への決意新たに「自分にできることを精一杯やりたい」

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有村架純&志尊淳、コロナ禍で俳優業への決意新たに「自分にできることを精一杯やりたい」

ドキュメンタリー映画『人と仕事』(10月8日公開)の完成報告&生配信イベントが9月16日に神楽座で開催され、有村架純、志尊淳、森ガキ侑大監督が登壇。有村と志尊がコロナ禍で新たにした俳優業への決意を語った。

『人と仕事』完成報告&生配信イベントが開催された
『人と仕事』完成報告&生配信イベントが開催された

本作では有村と志尊が役ではなく、そのままの“自分”としてスクリーンに登場。コロナ禍の日本で働く保育士や農家などの職業に就く人々を訪ね、体験し、職場が直面する数々の問題に触れていくことで、現代社会の陰影を浮き彫りにするドキュメンタリーだ。企画を『新聞記者』(19)、『空白』(9月23日公開)など話題作を世に送りだしているスターサンズの河村光庸が務めている。

「最初は有村さんと志尊くんと、保育士をテーマにした映画を作ろうという話で脚本を練っていた」という森ガキ監督は、その劇映画がコロナ禍において頓挫したことを告白。「ショックだった」と明かしつつ、「その1週間後くらいに(プロデューサーの)河村さんから『これをドキュメンタリーにしないか』という話があって。いまの時代に絶対に作ったほうがいいと本能的に感じて、ぜひやらせてくださいと返事をした」とドキュメンタリー制作の経緯について説明。

人の温もりを感じたという有村架純
人の温もりを感じたという有村架純

「このお話をいただいた時に正直、どこに着地するのかがわかっていなかった。ドキュメンタリーになるということで、自分のなかで咀嚼しながら進めていけるのかと不安も生じた」と素直な胸の内を語った有村は、「とにかく前にだけ進んでいく状況だった。完成作を観て、いろいろな方に問いかけられるドキュメンタリーになったと思った」と胸を張り、同じく戸惑いがあったという志尊も「河村さんの『作品を絶やさない』という熱量がすごかった。精一杯取り組みたいと思った」と参加した理由を語っていた。


ゲリラ撮影の思い出を語った志尊淳
ゲリラ撮影の思い出を語った志尊淳

いつもはインタビューを受ける立場である有村と志尊が、今回はインタビューをする側となり、エッセンシャルワーカーのもとを訪ねた。対象者に「寄り添いたいと思った」と声を揃えた2人。志尊は「僕が表面底に思っていた苦悩よりも、皆さんはるかに深いところで苦悩を抱いていた。一人一人が感じられていることを知ることができてよかった。知ることに意味がある」としみじみ。有村は「悩みだったり、葛藤の一部分でも知れたことがすごく大きい」と同調し、「改めて、実際に人と会って話すということを大事にしなければいけないと思った」と人の温もりを実感した話す。

志尊は渋谷でゲリラでの街頭インタビューにも挑戦したという。「10人くらいに無視されている」と明かした志尊は、「心が痛くて。見向きもしてくれない。“なんですか!?”みたいな顔もされる。『メンタルがもたないんで帰りたいです』と言っていた」と苦笑い。森ガキ監督の発案で、有村と志尊が2人きりで意見を交わすシーンもあるが、志尊は「(監督から)『使わない記録用だから、2人でぶっちゃけトークして。全然カットするから。ただカメラ置いているだけだから気にしないで』と言われて。それだったら本音でぶつかることができるなと思った。結果、すごい使われていた」、有村も「結構、使っているなと思った」と笑い、「短い時間のなかで、本音でしゃべることはハードルが高いんじゃないかと思ったんですけど、1回扉を開けて話してみたら、意外とスッと言葉が出てきた」といい時間になった様子。

コロナ禍において、俳優業についても想いをめぐらせることが多かったようで、有村は「現場で100パーセントの結果を残せるように、務めていくことしかできない。それはコロナ前、コロナ禍でも変わらないけれど、より皆さんの心に残る作品を届けていきたいなという思いは強くなった気がする」、志尊も「自分にできることを精一杯やりたい」と力強く語っていた。

取材・文/成田おり枝

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