エリザベス女王、故フィリップ王配への愛と敬意を表して世界のリーダーたちにメッセージ
イタリアのローマで開催された主要20か国の地域首脳会議(G20)に続き、各国の首脳陣が、英グラスゴーで開催されている国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に集結。
健康上の理由で、医師から2週間の休息を勧められたエリザべス女王は、レセプションの欠席を余儀なくされたが、同日にウィンザー城で自ら運転する姿が目撃され、健康状態は良好の様子。またレセプション中に、各国のリーダーたちに向けて力強いビデオメッセージを送った。
亡きフィリップ王配と蝶が舞う写真が飾られた机を背景に、エコカラーの黄緑色のドレス、フィリップ王配との結婚記念のギフトで、気候変動によって減少が懸念されている蝶のブローチをつけたエリザベス女王。4分以上に及ぶスピーチのなかで、「人類の進化において、環境問題がもたらす影響は、私の愛する夫が身近な問題として捉えていたものです。長男のチャールズ、その長男のウィリアムの活動へと通じ、私の夫が早くから、人々にこのはかない地球を守るよう促すためのリーダー的な役割を担ってきたことが、私のプライドです。彼らのことを心から誇りに感じています」としながらも、フィリップ王配が長年取り組んできた問題について、これ以上、解決を先延ばしにできないと強調。
「70年以上にわたって、私は幸運にも世界中の偉大なリーダーたちと出会い、また知ることとなりました。私個人としては、今回のカンファレンスが、皆さんにとって、政治を超えた真実の声明に到達する場となる、滅多にない機会となることを祈っています」。また「まだ歴史本に刻まれていないこのサミットが、あなた方がせっかくの機会を逃さず、将来の世代の期待に応えたリーダーとして描写される、多くの希望が詰まったレガシーになるように」と各国のリーダーを鼓舞。さらに今回のアクションがここにいる全員にとって必ずしも楽しいものではないとしながらも、「人は誰も、永遠に生きることはできないのです。自分たちのためではなく、未来の子どもたち、その子どもたちのためにやるのです」と、利権優先のリーダーたちに苦言を呈するとともに、一致団結を呼びかけている。
エリザベス女王は、世界中で最もCO2を大量に放出しながらも、同会議に主席の欠席を表明した中国や各国の対応の遅れに、強い不満を抱いていると言われていた。
文/JUNKO