神尾楓珠、山田杏奈との初対面の衝撃を告白!芝居が「めちゃくちゃうまい」
浅原ナオトの小説を映画化した『彼女が好きなものは』(12月3日公開)の完成披露試写会が11月2日にスペースFS汐留で開催され、神尾楓珠、山田杏奈、草野翔吾監督が登壇。本作が3回目の共演となる神尾と山田が、お互いの印象と共に充実の撮影を振り返った。
本作は、ゲイであることを隠しながら生活する男子高校生の純(神尾)とBL好きの同級生・紗枝(山田)との恋愛を通じ、世間にはびこる“普通”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描く物語。
神尾は「この題材で映画を撮るということがリスキーなことではあるなと最初は思って。真ん中に立って映画を作ることが怖かった」とセクシュアルマイノリティの男子高校生役を演じることへの不安を吐露し、「でも脚本もそうですし、監督やプロデューサーさんのまっすぐな思いを聞いて、ちゃんと演じたいなと思い受けさせてもらいました」と力強くコメント。「自分には経験のないことですし、知らない世界の話だったりもするので戸惑いはありましたが、悩みを隠して生きることや、誰にも言えないことがあるというのは、身近なことに置き換えればみんなが持っている感情。そこからゲイであるという悩みに対して向き合っていった」と真摯な想いを明かした。
山田は「紗枝は本当にまっすぐな子」と役柄の印象を語り、「好きになった人がゲイだったということを、紗枝はまっすぐに受け止めてどうしていくかと考える。そういう姿が好きで、紗枝の想いを私が表現できるんだということがとてもうれしかった。この作品のみんな、優しさや葛藤などいろいろな人の想いがギュッと詰まっているので、そのなかに参加できることもうれしかったです」と喜びを口にしていた。
本作で3度目の共演となった2人だが、神尾は「初めて会った時は(山田が)中学生だったと思う」と切りだし、「僕は仕事を始めたばかりで、なにもわからない状態。こんな中学生いるんだ、めちゃくちゃうまい人がいると思って衝撃を受けて。足を引っ張ってばかりだった。この場を借りて…」と謝罪すると、山田も大笑い。その山田は「何回かご一緒させていただいて、楓珠くんとはご縁がある。年上だけれど私がフランクに接しても許してくれる」と微笑み、「今回は二人でのお芝居をがっつりとやった。楓珠くんの純がいたから、私は紗枝でいられた。すごくいい時間だった」と充実の撮影を述懐し、神尾も「いるだけで元気をくれる雰囲気がある」と山田と紗枝役のハマり具合を語っていた。
ゲイであることを隠している主人公にちなみ、「実は好きなもの」を告白するひと幕も。神尾は「こう見えて、恋バナ好きなんです」とニヤリ。「学生時代は恋バナが大嫌いだったんです。大人になってめちゃくちゃ楽しいじゃんって思って。人の話を聞くのがすごく楽しい。変にアドバイスとかしちゃいます」と話す。山田は「知育菓子」だといい、また「周囲が思うイメージと違うこと」については「顔も幼いし、演じるのも高校生の役が多いんですけど、コーヒーをブラックで飲みます。大人たちに『ブラックで飲めるんだ!』と言われます」と笑顔を見せていた。
取材・文/成田 おり枝