市川崑監督の描いた色を再現!『犬神家の一族』4Kデジタル修復のメイキング映像が到着

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市川崑監督の描いた色を再現!『犬神家の一族』4Kデジタル修復のメイキング映像が到着

角川映画の45周年を記念した企画として、市川崑監督の『犬神家の一族』(76)の4Kデジタル修復版初披露始め、31作品を一挙上映する「角川映画祭」が11月19日(金)より開催。このたび、市川崑監督の映像美を徹底的に再現した『犬神家の一族』の4Kデジタル修復の軌跡をとらえたメイキング映像を解禁された。

【写真を見る】市川監督本来の映像美が再現され印象的なシーンも生まれ変わる4Kデジタル修復版が「角川映画祭」で上映される
【写真を見る】市川監督本来の映像美が再現され印象的なシーンも生まれ変わる4Kデジタル修復版が「角川映画祭」で上映される[c]KADOKAWA

『犬神家の一族』は市川がメガホンを取った、記念すべき角川映画第1作目の作品。原作は、名探偵、金田一耕助を主人公とする横溝正史の傑作ミステリーシリーズ。犬神製薬当主が残した不可解な遺言状を発端に勃発した、連続殺人事件の真相を追う日本映画史に残るミステリー映画として語り継がれてきた。白いゴムマスク姿の佐清(スケキヨ)や、逆さまで湖に沈み足だけを水面に出した状態で発見される被害者など、ミステリー要素だけでなく印象的で豊かな画力についても評価されており、今回、待望の4Kデジタル修復となっていた。

今回解禁された映像では、これまで幾度も映像ソフト化され、その時々の技術やトレンド、フィルムの状態により変化してきた本作の映像の修復の軌跡が解説されている。オリジナルから遠ざかってしまっていたこれまでの修復過程を見直し、市川監督が目指した本当の色、映像美の再現を目指した修復作業。本映像は、初上映当時の資料や当時作品編集に携わったスタッフの協力の様子を切り取りながら、匠の技と執念に迫る興味深い映像となっている。


アニメーターとしてキャリアをスタートさせ、照明やアングル、編集までもを自らこなした巨匠、市川崑だが、唯一自分で出来なかったというのが、タイミングと呼ばれるフィルムから作品のトーンを形成する作業。今回、そのハイレベルな作業を経て、市川の目指した映像美、それを裏を支えた匠たちの技術によって、『犬神家の一族』はどのように蘇ったのか?本来の姿が実感できる 「角川映画祭」の開催を楽しみに待ちたい。

文/鈴木レイヤ

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