北村匠海、絶望しつつも清々しい青春時代を告白「前髪パッツンのテクノカットでした」

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北村匠海、絶望しつつも清々しい青春時代を告白「前髪パッツンのテクノカットでした」

ウェブライター、カツセマサヒコの青春恋愛小説を映画化した『明け方の若者たち』(12月31日公開)のプレミア上映会舞台挨拶が、11月14日にTOHOシネマズ日比谷で開催。主演の北村匠海、共演の井上祐貴、原作者のカツセマサヒコ、松本花奈監督が登壇。本作がほろ苦い青春映画ということで、北村は若かりし日を振り返り「サブカルチャーがすべてでした」と懐かしんだ。

北村は「僕は前髪パッツンのテクノカットをしてて、それは学校とかに対するアンチテーゼでした。でも、学校の規定にはぴったりで、先生から『みんな、北村を見習え』と言われていて。それくらい変な感じで生きていました」と告白。

僕役の北村匠海
僕役の北村匠海

さらに北村は「次の日があることも忘れてひたすら飲んで、朝に店を出て『朝やん』と思う絶望感。絶望するけど、清々しいんです。また、悶々としているなかで飲むホッピーの旨さといったら。お金もないから安酒で、飲めればなんでもいい。また、先輩のバンドの曲とかも歌ってました」としみじみ語る。

原作者のカツセはそんな北村に「当時からロックだったんですね。演じてもらってよかった」と満足気だ。さらに完成した映画について「僕の小説を読んだ方たちは本当に驚くと思います。一分の狂いもなく映像になってるので。もちろん違うシーンもあるけど、そこも良くて。なんで自分はそれを書かなかったんだろうという悔しさもありました」と絶賛する。

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『明け方の若者たち』は、「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」の16文字から始まった、“沼”のような5年間の恋を描く青春映画。そこで青春時代の沼について尋ねられた4人。

井上は「僕はゲームアプリです。でも、課金がね…。絶対に欲しいアイテムがあるんですよ、期間限定で。1回課金したら、手に入るまでやっちゃう」と苦笑いすると、北村も「それ、ステータスですからね」と大いに共感する。


北村は「ファッションとかは、こだわりがあるものを長く使うようになると、買い物をするものがなくなっていく。では、そのお金はどこにいくのかと。そうすると課金に…。復刻のやつとかが出るとね。その課金が生きがいになってきちゃう」と苦笑いすると、井上も「自己満なんですよね」とうなずく。

さらに北村は「大人になったなと感じのたは、初めてゲームを自分で買った時。それまでは親やサンタさんに買ってもらえるものだったけど、自分のお金で8000円とかのゲームを買った時は、大人になったなと」としみじみ語った。

全員でフォトセッション
全員でフォトセッション

最後に北村は「この作品は、監督をはじめ、黒島(結菜)さんもそうですが、若者たちで作れたってことが一番大きいです。すばらしい原作があってのことですが、僕も原作にある青々しく痛々しいものが理解できました。いま、世の中を変えられるのは我々若者だったりする。そういう前向きなエネルギーを持っている映画でもあるので、みんなで苦しい思いを共有し、明日を迎えようじゃないかと。きっと自分と重ね合わせることも多いんじゃないかと思います」と映画をアピール。

松本監督も「いまでしか撮れないものがたくさんスクリーンに映っていると思うので、それを感じてもらえたらと」と言って、舞台挨拶を締めくくった。

取材・文/山崎伸子

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