「イカゲーム」監督とキャストが語る世界的人気の秘密は?ユニークなテーマ曲の制作秘話も!
11月に入り、ハリウッドはすでに賞レースの季節を迎えている。映画は来年3月27日に行われる第94回アカデミー賞、テレビシリーズは来年9月に行われる第74回プライムタイム・エミー賞を目指し、業界賞や前哨戦を戦っていく。今年は映画の立ち上がりが遅く、目立った作品がない状況だが、テレビドラマに関しては昨年までと異なる現象が起きている。
現地時間11月6日に行われたロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)のガラディナーに、Netfilxの韓国ドラマ「イカゲーム』のキャストと監督が出席したことは、多くのメディアで報道されていた。この時期にハリウッドに乗り込んだのは、11月から12月にかけて、テレビシリーズ部門を持つ業界賞のノミネーション投票が行われるから。12月6日には批評家協会賞テレビ部門、12月13日にはゴールデン・グローブ賞、そして1月に入ると全米映画俳優組合賞や全米製作者組合賞のノミネーション発表がある。
11月19日には、米業界誌Varietyが主催するオンラインイベントに、「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督、ギフン役のイ・ジョンジェ、セビョク役のチョン・ホヨン、サンウ役のパク・ヘス、美術監督のチェ・ギョンソン、音楽監督のチョン・ジェイルが出演し、質疑応答を行った。
この世界的人気の秘密を聞かれたファン・ドンヒョク監督は、「とてもシンプルな子どもの遊びに大人たちが真剣に取り組む滑稽さではないかと思います。また、このドラマは見て楽しむだけでなく、観賞後に資本主義社会への警告のような強いメッセージを残します。そのメッセージが多くの対話を生み、世界の人々に届いたのだと考えています」と答えた。主演のイ・ジョンジェは、韓国にいると世界で話題になっていることを実感することはないが、世界の人々がYouTubeに投稿した感想動画を見て実感するようになったと言う。「彼らの表情や反応がとても率直なものだったので、これは…と思うようになりました。そしてアメリカに来たら、多くの人が私の顔を知っていて演技を褒めてくれました。そのような反応をいただいたのはとてもうれしかったです。でも正直なことを言うと、まだ信じられなくて、夢を見ているような気分です」と答えた。ちなみに司会者はイ・ジョンジェを英語風に“ジェイジェイ”と愛称で呼び、これからその呼び名が定着していくのかもしれない。
ギフンの“竹馬の友”サンウを演じたパク・ヘスは『パラサイト 半地下の家族』(19)、『ミナリ』(20)との連鎖を指摘する。「既にこれらの作品が好評を得ていたので、韓国作品に対する信頼があり、『イカゲーム』のヒットへの道を開いたのではないでしょうか」と分析するが、イ・ジョンジェ同様にアメリカで出会う人々の歓待ぶりに驚いたと言う。インスタグラムのフォロワー数が何倍にも増えたセビョク役のチョン・ホヨンは、「配信開始から1週間くらいして、海外の友人から『おめでとう』というメッセージが来て、世界中のあらゆる世代の人々が観てくれたんだと気づきました」と述べた。今作が演技初挑戦で、とてもナーバスになっていたというチョン・ホヨンは、ファン・ドンヒョク監督の「大丈夫。うまくいくから。どれだけ良いものが作れるか、楽しみにしていて」という常に自信にあふれた言葉に導かれたと告白する。ファン・ドンヒョク監督はセビョク役のキャスティングについて聞かれた際に、「彼女のオーディションテープを見たら一目瞭然でした。すでにセビョクだったからです。そのままでいいよ、と言いました」と答えている。