映画賞シーズン、本格到来!『ドライブ・マイ・カー』「イカゲーム」がゴッサム・インディペンデント映画賞受賞に喜び

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映画賞シーズン、本格到来!『ドライブ・マイ・カー』「イカゲーム」がゴッサム・インディペンデント映画賞受賞に喜び

11月第3木曜日の感謝祭が終わると、映画賞のシーズンが本格的に到来する。そのなかでも早い時期に行われるゴッサム・インディペンデント映画賞(The Gotham Independent Film Awards)は、ニューヨークに拠点を置く審査員が選出するインディペンデント映画・ドラマの賞。新しいクリエイターによるプロジェクトの資金調達から配給まで、あらゆる段階の助成を行う非営利団体が母体となっている。なお、今年から演技部門の性別賞を撤廃し、「パフォーマー賞」と一つの部門にしている。

パフォーマートリビュートを受賞した『スペンサー(原題)』(2022年公開)のクリスティン・スチュワート
パフォーマートリビュートを受賞した『スペンサー(原題)』(2022年公開)のクリスティン・スチュワートPhoto by Jemal Countess/Getty Images for The Gotham Film & Media Institute

11月29日にニューヨークで行われた授賞結果は、今年の賞レースの結果を占うような作品と俳優が揃った。パフォーマートリビュートでは『スペンサー(原題)』(2022年公開)のクリスティン・スチュワート、『Cyrano』のピーター・ディンクレージ、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(公開中)のジェーン・カンピオン監督などが表彰された。

なかでも、大きな驚きと祝福を受けたのが、最優秀国際映画賞に選ばれた『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督と、ブレイクスルーシリーズ(長編)賞に選ばれた「イカゲーム」。

『ドライブ・マイ・カー』が最優秀国際映画賞を受賞!濱口監督は「村上春樹さんに感謝をしたい」スピーチ
『ドライブ・マイ・カー』が最優秀国際映画賞を受賞!濱口監督は「村上春樹さんに感謝をしたい」スピーチPhoto by Jemal Countess/Getty Images for The Gotham Film & Media Institute)


トロフィーを受け取った濱口監督は「まず、この物語を与えてくださった村上春樹さんに感謝をしたいと思います。村上春樹さんの世界を表現するということが自分にとっての新たなチャレンジになりました。そして自分が今まで描いたことがなかったような物語が描けたと思います」と語り、北米配給や製作スタッフへの感謝でスピーチを締めた。今年の外国語作品はカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作の『Titane』やオスカー常連のアスガー・ファルハディ監督の『A Hero』、Netflixが配給配信するイタリアのパオロ・ソレンティーノ監督の『Hand of God -神の手が触れた日-』などの強豪が並ぶ。そんな中なかの受賞は、12月半ばに発表されるアカデミー賞国際長編映画賞のショートリスト入りに向けて弾みがついたと言える。

ブレイクスルーシリーズ(長編)賞に選ばれた「イカゲーム」
ブレイクスルーシリーズ(長編)賞に選ばれた「イカゲーム」Photo by Dimitrios Kambouris/Getty Images for The Gotham Film & Media Institute

「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督、イ・ジョンジェ、チョン・ホヨンもニューヨーク入りし、受賞を祝った。ファン監督は受賞後のインタビューで「もちろんヒットすることを目指してこの作品を作りましたが、ここまでの人気を得たことに驚いています」と語り、イ・ジョンジェは「光栄なのと同時に、今後も映画やドラマ作りにより精進していきたいと思います」と抱負を述べた。今作が演技初挑戦のチョン・ホヨンは「初めてのことばかりで少し戸惑っていますが、でもとてもうれしく、感謝しています」とコメント。大舞台での受賞スピーチに緊張するファン監督に、「ここにいる観客はみんな裸だと思えば大丈夫ですよ!」とアドバイスしたそうだが、結果は「全く助けにならず、かえって緊張しています(笑)」とファン・ドンヒョク監督が語った。

『ロスト・ドーター』に出演のダコタ・ジョンソンとメガホンをとったマギー・ギレンホール監督
『ロスト・ドーター』に出演のダコタ・ジョンソンとメガホンをとったマギー・ギレンホール監督Photo by Jemal Countess/Getty Images for The Gotham Film & Media Institute)

この日の主役は、長編映画賞、ブレイクスルー監督賞、脚本賞、主演パフォーマー賞の四冠受賞となった『ロスト・ドーター』。監督と脚本を手掛けたマギー・ギレンホールは、脚本家の母ナオミ・フォーナーと娘たちに感謝し、「とても緊張しているのは、ここ(ニューヨーク)は私が生まれ育った街で、ここにいる多くの人々はよく知っていて尊敬する人々だからです。そして演じてくれた俳優の皆さんに感謝します。私は、自分が俳優として演じたいと思う脚本を書きました。セリフ間には大きな余白があり、彼らに好きなように埋めてもらいました。すべての瞬間に驚き、印象深い撮影の日々でした。そこにいるダコタ・ジョンソンがそうでした。オリヴィア(・コールマン)に『いい水着ですね』というシーンがありますが、そこには4000もの語られていないものが含まれています」と受賞スピーチを行った。

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