『フラ・フラダンス』『フラガール』や「俺の家の話」も!“聖地”「スパリゾートハワイアンズ」の魅力
新人フラガールたちの奮闘と成長を描くオリジナル長編アニメーション映画『フラ・フラダンス』が公開中。主人公の夏凪日羽(なつなぎひわ)を、2022年下期のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」でヒロインを務めることが決定した福原遥が演じるほか、美山加恋、富田望生、山田裕貴、ディーン・フジオカといった豪華俳優陣が参加していることでも大注目の作品だ。主人公たちのモデルとなっているのは、美と迫力のフラダンスショーで知られる「スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム」。そして、物語の舞台はもちろん福島県いわき市にある「スパリゾートハワイアンズ」である。
『フラガール』の舞台としても知られるスパリゾートハワイアンズ
スパリゾートハワイアンズの名称にピンと来なくても、2006年公開の映画『フラガール』の舞台と聞けば思い浮かぶ人も多いだろう。その劇中でも語られたように、前身となる「常磐ハワイアンセンター」のオープンは1966年。時代は石炭から石油へと移り変わるエネルギー革命の只中で、全国の炭鉱は閉山の危機。いわき市の常盤炭鉱も例外ではなく、新たな収入源確保と炭鉱労働者の雇用創出のための施設が求められた、というのが開業の経緯である。
『フラガール』ではこうした背景のもと、施設の呼び物であるフラダンスショーのために集められた炭鉱町の女性たちが、フラガールとしてステージに上がるまでのドラマが展開。映画は大ヒットし、劇中で本格的なソロダンスを熱量高く披露した蒼井優は日本アカデミー賞新人俳優賞と最優秀助演女優賞をW受賞した。
現在のスパリゾートハワイアンズは、温水プール、温泉、ホテル、ゴルフ場などを擁する一大レジャー施設。開業当時のコンセプトである“常夏の楽園”のムードはそのままに、全国各地から訪れる利用客に非日常体験を提供している。
映画にドラマ、アニメのロケ地としても人気
そんな非日常を体現するかのごとく、華やかな衣装とダンスで観客を魅了するフラガールたちの活躍は、『フラガール』以降の映像作品でも見ることができる。2015年放送のテレビドラマ「フラガールと犬のチョコ」は、東日本大震災の被害を乗り越えようとするフラガールたちを捉えた作品。実在のダンサー・モアナ梨江の実話に基づく物語で、スパリゾートハワイアンズのほか福島県内でロケが行われた。
2019年放送の「フライングベイビーズ」は女子中学生たちがフラダンスのコンテスト出場を目指す短編アニメで、こちらも主人公たちが住むいわき市の実際の街並みが劇中に登場。ほかにも、結成の経緯や震災からの復興を描くドキュメンタリーが多数制作されている。
また、いくつもの大型プールや、ハワイアン、欧風、和風など様々なエリアが存在するスパリゾートハワイアンズの施設は、映像作品で頻繁に利用されるロケ地の一つ。『人数の町』(20)や長瀬智也主演のテレビドラマ「俺の家の話」、バラエティ番組「笑神様は突然に…」など多岐にわたるジャンルの番組に登場しているので、知らずしらず目にしている人も多いだろう。