『ソードアート・オンライン』最新作が北米ベストテンに初登場!『ミラベルと魔法だらけの家』は接戦を制しV2
感謝祭直後の“ポスト・サンクスギビング”の週末は、クリスマスという最大の繁忙期を前に映画興行全体が落ち着きを見せる。あえてこの週に公開される大作はほとんどなく、感謝祭をにぎわせた作品たちの興収もすとんと下落。次の週末にはスティーヴン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』(2022年2月11日日本公開)が控え、そこから年末にかけて大作が続々公開されていく予定となっている。
そんな先週末(12月3日から5日)の北米興収ランキングで1位を飾ったのは、前週に引きつづきディズニーの『ミラベルと魔法だらけの家』(日本公開中)。上映館数に変化はないものの、3日間の興行収入は前週比51.7%減の1314万ドル。2019年の『アナと雪の女王2』が59%減、その前の『シュガーラッシュ2』(18)が54.5%減と、同じディズニー作品の感謝祭→ポスト・サンクスギビングの推移だけで考えれば例年通りの水準をキープしているといえよう。北米での累計興収は5836万ドルとなり、『ラーヤと龍の王国』(21)の興収を上回ることにも成功している。
一方、公開3週目を迎えた『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2022年2月4日日本公開)は前週比57.2%と『ミラベル〜』を超える大幅な下落となりながらも、いまだ週末3日間興収1000万ドル以上をキープしわずかの差で2位に。それでも北米累計興収は1億ドルの大台を突破し、2016年に公開されたリブート版『ゴーストバスターズ』とほぼ同じペースで興収を積み重ねている状況だ。同作との違いは海外興収が伸びていないことだが、いまの世界情勢を踏まえればかなりの大健闘と言えるだろう。
そんな閑散期の週末に2作品がベストテンに初登場を果たした。そのうちの1本で、10位に初登場したのは「ソードアート・オンライン」シリーズの最新作『劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア』(日本公開中)。840館で公開され、3日間の興収は105万ドルを記録。2017年の『劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』は北米興収152万ドルを記録しており、それを上回る勢いだ。
4月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)や、10月に公開された『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』(21)と、日本アニメの勢いが加速している北米の映画界。ちなみに先日発表された、第94回アカデミー賞長編アニメーション賞のエントリー26作品のなかには、細田守監督の『竜とそばかすの姫』(日本公開中)をはじめ、『漁港の肉子ちゃん』(21)や『ジョゼと虎と魚たち』(20)、『宇宙の法 エローヒム編』(21)、『映画大好きポンポさん』(21)、『映画えんとつ町のプペル』(20)と日本アニメが6作品入っている。このなかからノミネートに残る作品があるのか、大いに楽しみなところだ。
文/久保田 和馬