「ボス・ベイビー」最新作にLiLiCoも太鼓判！主人公兄弟の姿に重ねた、弟とのエピソードも明かす

「距離もあるので、なかなか頻繁に“本音”で話す機会がないんです」

世界の危機に立ち向かっていくなかで、ボス・ベイビーとティムは仲良く過ごした子ども時代を思い出し、兄弟の絆を再確認していく。いつの間にか兄弟が疎遠になってしまった…という状況には、共感できる人もきっと多いはずだ。実際、本シリーズの監督を務めたトム・マクグラスは、自身と兄との間に実際に起こったことを本作に反映しているという。

LiLiCoにも弟がいるが、「弟とは年齢が9つも離れていて、しかも日本とスウェーデンと距離もあるので、なかなか頻繁に“本音”で話す機会がないんです」と、ボス・ベイビーとティムのように本当の気持ちを明かせないこともあるのだとか。「距離と時間のせいにしてしまっているところもあると思います」と続けるが、弟の本音を知って驚いたことがあるという。

「1年前ほどに、とある雑誌から『弟に取材させてほしい』という依頼があって。その取材で弟は、子ども時代の思い出や私とのエピソードを話してくれました。弟は喘息と重いアレルギーを持っていたので、私は命懸けになって彼の面倒を見て、苦しいと思うこともありました。でも弟は、『いっぱい遊んでくれて本当にいい幼少期だった』と話してくれていた。弟が幸せだったんだ、ということがすごくうれしくて、私も思い出を塗り替えたいなと思いました」としみじみと話す。

「両親が仲良く過ごしていた時代を見ながら、『バブー』と言って一緒に遊びたい」

ボス・ベイビーとティムのワクワクドキドキの冒険ストーリーから浮かび上がるのは、親子の愛、兄弟の絆といった普遍的なテーマ。「もし自分がスーパーミルクを飲んで子ども時代に戻れたら？」という質問には、「両親が仲良く過ごしていた時代を見ながら、『バブー』と言って一緒に遊びたい。実際には両親が仲良く話している姿は記憶にないので、『バブー』と言いながらも心のなかでは感動の涙を流していると思います」と胸の内を明かしてくれた。

本作からは温かな気持ちをたくさんもらったようで、「ステイホームが続き、家族の間でもお互いにイラついてしまったり、ついキツい言葉を投げかけてしまったりすることもあると思います。でもそれを感謝の言葉に変えたら、あるいは本当に抱いている感謝の言葉に変えるだけで、家庭内が明るくなるはず。そんなことに気づかせてくれる本作は、ちょっと毎日に疲れてしまった皆さん、つまり世の中のほとんどの人に観てほしい映画です」と願いを込めた。

構成・文/成田おり枝